かならず幸せになれるいきもの

おしゃべりによる出現する未来から学ぶ

子どもを静かに座らせるための言葉掛け6つ

支援の視点から、「静かに座らせるための言葉掛け」です。

ポイントは

の6つです。

支援で指示するときに大切なことは、「視覚的」「肯定的」「具体的」にと言われています。

今回は言葉掛けなので「肯定的」「具体的」を意識して解説します。

1.おしりをつけて座る

これは、一番大事です。子どもたちが「座るとは」を理解していなかったら、元も子もありません。
 

「座るとは、お尻を椅子の座面につけることです」ということの共通理解が、子どもたちによっては必要な場合があります。

2.足を入れる

これは鉄板です。すでに座っていて、正しく座れていないときの言葉かけがこれです。
「足をだしません」という否定でなく、
「足を入れる」と「肯定的」に言うところは一つポイントですね。

実際には、
「あしー」
「あしいれられるひとー」
「○○さんあしはいるとかんぺきー」
「○○さんあしおねがいしてもいい?」
とか言って促しています。

無言で「足を机の下に入れる」と板書をしてしばらく待つことで、大きく荒れた高学年のクラスの子も正しく座っているのを見たことがあります。

3.口を閉じる

これも、鉄板です。静かにさせるためにこれより良い言葉掛けが今のところは浮かびません。
お口をチャックが効かなくなってしまった子どもたちに有効な気がします。

これも、
「静かにしなさい」という否定ではなく、
「口を閉じる」という「具体的」な動作や行動が示されているところが支援の視点です。

また、「静かにしなさい」だと、「静かにする」ということがどういう状態かを児童が共有していなければなりません。
そして、実際は場に応じて、静かにする度合いは違うことがあります。
「静かにしなさい」と指示したとき、黙る子もいれば、声を小さくして話し続ける子、声を出さないでちょっかいを出す子さまざまに分かれると思います。
「口を閉じる」だと、やはり一度で分かる指示なように思います。 

実際には、
「お口も閉じてー」
「今は口を閉じるよー」
「口を閉じまーす」
という感じで使っています。

朝会などで「静かにするために口を閉じます」と言っても3秒くらいでシーンとなります。
「話しを聞くために口を閉じましょう」など、理由をつけると効果はあがります。

4.何も持たせない 

子どもが、何かを持っていると、話に集中できないことが多いですよね。
これも

「今は鉛筆をもちません」という否定より、

「鉛筆を置きましょう」と「肯定的」な言葉掛けをします。

挨拶をする瞬間的な時間の確保であれば
「一旦やめてー」
「今だけ我慢してー」
「みんなに協力してー」
「つづくにしてーあいさつするよー」
といった声を掛けることもあります。

本を読んでいる場合は、どこまで読んだかが不安で止められないこともあるので、「しおり」になるようなものを渡すだけでやめてくれることもあります。
絵を描いている場合は、「きりのよいところで終わらせて―」「今のパーツ書いたら終わり―」と声掛けします。

5.背中を伸ばす

これができていたら、だいぶ教師の指示を聞くようになっていると思います。
これができていると、そもそも次の「前を向く」もできていることが多いと思います。
「きーをつけ、ピッ」とかで動かす手もあります。
デメリットを「具体的」に伝えながら促すこともあります。

たとえば
「せぼねまがるよー」
「からだまがるよー」

「こころもまがるよー」
とか、反対に
「きれいになろうー」
と自分から動こうとさせるつもりで言い方を変えてみるときもあります。

どれもそうなのですが、これは、特に上手にできている人をほめて、モデルを示すことで促せることが多いです。

6.前を向く

これは、誰とも話していないし、何か絵を描いたり、字を書いたりしているわけでもないのに、不注意であさっての方向を向いている子のために言います。

これも

「○○くん後ろを向きません」「○○くんおしゃべりしません」「○○さん本を読みません」と否定するように言うよりは、「肯定的」に伝えた方が入りやすいです。

私は
「いまは、まえをむきまーす」
「かいたのよんでー」
「これよめるひとー」
「これなにいろー」
「まえをむいてあいさつしましょー」
といった感じで使っています。

以上6つでした。

私は、一時期、上記の中でみんなが二つ以上できていたら挨拶をしていいと言っていたことがあります。座るとはお尻をつけて座るなので、床に座っているけど、口を閉じていて、背筋を伸ばしているのでOKというときもありました。

この6つは、紙に書いて「視覚的」に掲示していました。
そうすると、挨拶するときに、周囲の友だちを見て確認してから、挨拶できることが増えました。
 
交流でも支援でも、座るの基準が明確になっていることは、授業規律を守り、安心して過ごせる環境づくりのための一つの手がかりになると思います。