かならず幸せになれるいきもの

おしゃべりによる出現する未来から学ぶ

子どもの成長を感じないときに必要な視点2つ

そのために必要な視点を2つ書きます。

1.ハードルを置く

これは、体育の話ではなくて。

ステップアップのために、課題に挑戦させるという意味です。
課題は難しすぎても、簡単すぎてもいけません。
よく「120%の力」で越えられるハードルだと、意欲が増すと言われます。

ただ、子どもによっては、120%の力で越えるよりも低いハードルが必要になります。 
ハードルが低いと、つまずきが少ないため、意欲が増す子がいます。
低いハードルを、スモールステップと呼びますね。

どれくらい高さに設定すれば、スモールステップかというと、それは、子どもの分だけ多様にあります。

一番のスモールステップは、たとえば、繰り返して学ぶことです。
すべての子どもたち、まして、支援を要する子たちは、繰り返し学習することで、学習や行動が強化されて身につきます

 

けれど、繰り返しのが「いつまで?どこまで?」必要なのかの判断を、日々の教育の中で見落とすことがあります。

子どもが、今、どんな段階まで育っているのかを、常に評価して判断して、活動を仕掛けていく必要があります。

たとえば、うちでは「ドーンジャンケン」が鬼門でした。
「ドーンジャンケン」をするとジャンケンの度にケンカが起き、授業は崩壊します。
けれど、それ以外の(たとえば勝ち負けのない)集団で過ごす経験をたくさんして、「勝ち負けより楽しもう!」という言葉かけを繰り返すことで、勝ち負けに耐性が付いていきました。これが彼らにとってのスモールステップだったわけです。

そして、久しぶりに(2年ぶりくらいに)「ドーンジャンケン」をやってみると、一度も争うことなく、活動が楽しめました。素直に成長を感じました。
 
繰り返すスモールステップも大事ですが、
勇気を出して、子どもを信じて、活動を仕掛けること。

ハードルを設けて、できなかったことにも挑戦させること。
課題を乗り越えさせるために、そもそもハードルを置くこと。

こうした「子どもを信じて、挑戦させる大切さ」を忘れてはいけないと思いました。 

2.前にやっていたことをやる

なんとなく、最近彼らが成長していないな、なんて感じていたときに、半年前くらいにやっていた「Tボール」をやりたいと彼らが言ってきました。(Tボールとは、ピッチャーのいない野球のようなもの)
 
「うーん、やっぱり前にしていたことをやりたがって退行しているかな……」なんて思いました。

それでも、課題をやりくりして、時間をつくって「Tボール」をやってみました。
 
そしたら、私はその日、
「この学校に来てよかった!この子どもたちに出会えてよかった!本当に楽しい!!」
と感動して涙が滲みました。

前に「Tボール」をやっていたのは、半年くらい前だったのですが、その頃とは、
 
・友達への言葉掛け
・友だちへの役割りの譲り合い
・友達への教え方
・Tボールをやる運動能力 
・大人との微笑ましいやりとり
・終わりの時間になってからの切り替え

その頃に指導していたこと、これまで指導していたことが発揮され、とても成長を感じたのです。

退行なんて思っていた私は本当に愚かだと思います。
子どもっていうのは、大人の見方一つで、見え方に本当に天と地ほどの差があるなと感じます。

私は、もはや「彼らと友達になりたい!」とすら思っていました。

もちろん、そんな感動的な日が毎日続くわけではありません。
次の日には、「どう考えたらそんなことができるの!!」と叫んでいたはずです。

それでも、ふとしたときに、大人が目線を変えるだけで、心地よく子どもを見つめられることを伝えたくて、ポイントを書いてみました。
子どもの育ちを、純粋な温かい素直な大人の目で引き出し、見つめたいですね。