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「アクティブラーニング」とは?

中央教育審議会(第109回) 配付資料:文部科学省

ここの〈資料3-3〉から、アクティブ・ラーニングについて書かれている箇所だけ抜粋して考えてみた。

序章の予想

アクティブラーニングについて何かを言うのは、現段階では……と思いながら、書いたことがなかったのだけれど、資料を頼りに書いてみよう!

アクティブラーニングっていうのが、抽象的な枠組みとして強すぎて、おそらく人それぞれのフィルターによって解釈が変わるんですよね。

それぞれが色の説明をしていて、「そうそう」とか「それは違うよ」とか言い合っているだけなような感じもするのです。

話題の中の「アクティブラーニングされた子ども」を見て言っているのかよ、と。言葉が大切なのではなくて、それで子どもにどんな効果があるのかが大切なわけで。

とりあえず、アクティブラーニングは技法ではないっていうのは確かで、そうなると、概念なわけだ。

アクティブラーニングは、これまで聞いた話も含めて、予想では、要は「彼らの人生にとって必要な価値のある意図のある学び」ってことだと思う。

さて、文科省の文言には、なんて書かれているだろうか。

「学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申(案))概要」より

文科省においては「主体的・対話的で深い学び」ってことに落ち着いたみたいです。

「アクティブ・ラーニングの視点」

第4章 学習指導要領等の枠組みの改善と「社会に開かれた教育課程」

2.学習指導要領等の改善の方向性

(3)「主体的・対話的で深い学び」の実現(「アクティブ・ラーニング」の視点)
・ 子供たちが、学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解し、これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けることができるよう、 「主体的・ 対話的で深い学び」の実現に向けて、授業改善に向けた取組を活性化していくことが重要である。

・ 今回の改訂が目指すのは、学習の内容と方法の両方を重視し、子供の学びの過程を質的に高めていくことである。単元や題材のまとまりの中で、子供たちが「何ができるようになるか」を明確にしながら、 「何を学ぶか」という学習内容と、 「どのように学ぶか」という学びの過程を組み 立てていくことが重要になる。

一つ目のポチ(・)にあるのは、

・学習内容と人生や社会との結びつき→深い理解

・時代に求められる資質・能力を身に付ける

・生涯にわたって能動的に学び続けられるように

 

二つ目のポチ(・)では、

・学習内容と方法の両方の重視

・「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」の学びの過程が重要

といったことが書かれています。

 

アクティブ・ラーニングの意義

第7章 どのように学ぶか -各教科等の指導計画の作成と実施、学習・指導の改善・充実-

2.「主体的・対話的で深い学び」を実現することの意義
(「主体的・対話的で深い学び」とは何か)
・ 「主体的・対話的で深い学び」の実現とは、特定の指導方法のことでも、学校教育における教員の意図性を否定することでもない。教員が教えることにしっかりと関わり、子供たちに求めら れる資質・能力を育むために必要な学びの在り方を絶え間なく考え、授業の工夫・改善を重ねて いくことである。

・ 「主体的・対話的で深い学び」の実現とは、以下の視点に立った授業改善を行うことで、学校教育における質の高い学びを実現し、学習内容を深く理解し、資質・能力を身に付け、生涯にわ たって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすることである。
① 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現で きているか。
② 子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通 じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
③ 習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働 かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、 問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。


(各教科等の特質に応じた学習活動を改善する視点)

「アクティブ・ラーニング」については、地域や社会の具体的な問題を解決する学習を指すものと理解されることがあるが、例えば国語や各教科等における言語活動や、社会科において課題を追究し解決する活動、理科において観察・実験を通じて課題を探究する学習、体育における運動課題を解決する学習、美術における表現や鑑賞の活動など、全ての教科等における学習活動に関わるものであり、これまでも充実が図られてきたこうした学習を、更に改善・充実させていくための視点であることに留意が必要である。
・ こうした学習活動については、今までの授業時間とは別に新たに時間を確保しなければできな いものではなく、現在既に行われているこれらの活動を、「主体的・対話的で深い学び」の視点 で改善し、単元や題材のまとまりの中で指導内容を関連付けつつ、質を高めていく工夫が求めら れている。 

 「主体的・対話的で深い学び」の実現について、一つ目のポチ(・)に書かれていること。

・特定の指導方法でも、教員の意図性を否定するものでもない。

・しっかり教え、学びの在り方を絶え間なく考え、授業の工夫・改善を重ねること。

 

二つ目のポチに書かれていること。

①主体的な学び
・学ぶことに興味や関心を持つ
・自己のキャリアの形成の方向性と関連付ける
・見通しを持って粘り強く取り組む
・振り返って次につなげる
②対話的な学び
・子供同士の協働
・教職員や地域の人との対話
・先哲の考えを手掛かりに考えること等を通じ
・自己の考えを広げ深める
③深い学び
・習得・活用・探究の学びの過程の中
・各教科の「見方・考え方」を働かせ
・知識を関連付けて深く理解
・情報を精査して考えを形成
・問題を見いだして解決策を考え
・思いや考えを基に創造することに向かう
[知識を関連付け、情報を精査、考えを形成、問題を見いだし、解決策を考え、創造する]

 

※紛らわしいのは資料の図の中で「どのように学ぶか」に「アクティブ・ラーニング」という文言があって、「方法論」という発想にリンクしまうのかも、と感じた。

 

まあ、すべては「変化を見通せないこれからの時代において、新しい社会の在り方を自ら創造すること ができる資質・能力を子供たちに育むため」ってことは、職員室の机に貼っておきたいかも。

 

アクティブ・ラーニングとアクティブラーニングの違い!?

そういう視点があったのか……と目から鱗でした。

 

こちらのブログで紹介されていました。

s-locarno.hatenablog.com

 

以下の二つがおすすめ。

(講話)アクティブラーニングとアクティブ・ラーニングの違い、なぜカタカナ?

(概説)アクティブラーニング論の背景 v3

 

結局、思ったこと。

さて、「アクティブラーニング」。

いろいろまとめて考えてみると、

・その学校ごと、教科ごと、集団ごと

・教える必要があると考えられる知識を与える

・その知識を得ていく中でなれる人間像に迫る

・(その人間像はその子の将来・生涯とつながっていて)

・その具体は?(「何ができるために、何を?どうやって?」)

・学びによる変容を主観でも客観でも感じられるように

の6つかなと思った(もっと良い見方があるだろうし、これ以上にあるだろうけど)。

 

そして「アクティブラーニング」のややこしさは、このどのポチ(・)について言及しても「アクティブラーニング」について語っていることになるところだと思う。

視点論点(流行りの言葉で言えば「見方・考え方」)によって、ほぼほぼどの学びも間違いがないってことだ。アクティブラーニングでない学びってなくて、アクティブラーニングの度合いの高低はあるってことなんだろうなって。

 

真の「アクティブラーニング」みたいのがあるのかもしれないけれど、とりあえず文科省の表現を共通言語として、実践が語られていけば、交通整理がされていくのだろうと期待が膨らんだところで、では、また。