子どもにパピプペポだけで指示を出したら、すごい食いつかれた「ハピペン」です。ちょっと冗談でやってみたら、「もっとやって!」となりました。子どもたちは、分かりやすく言われるだけじゃなくて、考えて楽しみたいってのもあるのかもなあ。
今日は特別支援の話。
今読んでいる「脳番地」の本『発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング』にも書かれていることですが、子どもたちの成長には「環境」が超重要だそうです。
環境について、脳の成長によい環境について、「自然に身に付く、暗黙の了解、当たり前のこと」の難しさについて書いていきます。
環境9割
発達障害の処方せんは、まず環境作り9割、トレーニング1割からスタート!
P90
と書かれています。
発達障害の子どもたちにとって難しいことは「その子に合ったインプットの形でないと入力しにくいこと」です。
視覚が優位な子は、見える化されていないと入りにくいし、聴覚が優位な子は、言わないと分かりません。
視覚にも、言葉だと分かりやすい子、絵だと分かりやすい子などがいます。
聴覚でも、歌の方が分かりやすい子、話でも分かる子と様々です。
これらは、どれかに偏っているというよりは、組み合わさっています。
「一人ひとりの分かり方が違う」っていう前提が大切です。
脳の成長によい環境
脳の環境にとって大切なことの一つに「コミュニケーション」があります。
脳の成長によい環境
子供の話をじっくり聞く人がいる。
子供がわかるように話す人がいる。
せかせれずに最後まで自分で行動している。
など
P95から抜粋
「その子が分かりやすいインプットで」というのがコミュニケーションでも大切です。また「自分で行動する」というのも大切です。時間がかかる場合もあって、大人がやらざるを得ないこともあるでしょう(一年生の配膳など)。
しかし、そのとき脳を駆使しているのは大人になってしまいます。子どもが脳を使っているかが大切なことだそうです。
反対に悪い環境も挙げられています。
脳の成長に悪い環境
いつも怒られている。
言ったことをいつも否定されている。
最後まで自分で行動していない。
など
P95から抜粋
否定したり、怒ったりってついしてしまう場面もあることでしょう。ただ、やっぱり脳にはよくないようです。
どうして怒ることになってしまうかといえば「インプットが誤っていた」という可能性が挙げられます。
特に「自然に身に付く、暗黙の了解、当たり前のこと」は、加工されていないと伝わらないことがあります。
「自然に身に付く、暗黙の了解、当たり前のこと」の難しさ
教えなくても、なんとなくできるようになることが、発達障害のある子たちは、加工されていないと分からないことがあります。
まず、当たり前の「すわる」が分からない子もいます。
「すわるとは、お尻をイスにくっつけること」からはじめなければならないこともあります。
自然に身に付くものとして「助詞」を使いこなすのが難しい。
「ゲームでお母さんを自分に勝ちました」「昨日、夜でゲームをしました」など「いつ、どこで、だれが、なにを」がバラバラの助詞で表現されることがあります。あとそもそも助詞がない話し方の子もいます。
「給食、食べます」「歌、やります」「外、行きます」など。外国の方が日本語を学ぶ際も助詞が鬼門だそうなので、簡単には身に付かないことなようです。
暗黙の了解も明示しないと分からないことがあります。
「校長先生の話の最後に質問はできない」「おばさんにおばさんって言いません」など。
本人は「言われていないことは『やってよし』」と思っているわけではないのですが、そう思っているかのようなことがたびたび起こる場合があります。
それは「インプットされていないから」です。
先ほどの大前提の「一人ひとり分かり方が違う」ということが分かっていると、加工して伝えられることもあります。「分かり方が違う」という風に考えられない場合、教師側ではなく、児童側に原因を押し付けてしまい、「脳に悪い環境」にあるような対応になってしまうのだろうと思います。
「分かり方は一人ひとり違う」ということ。
「その子に合った加工」がされていないことは、分からないということ。
その前提を忘れて「脳に悪い環境」をつくってしまわないようにすることが大切だと思っています。