「やほやほやっほー!ハピペンだよー!」ってYouTuberになったら挨拶します。ハピペンです。
本日は、2019年2回目の「あるある会」に参加しました。
前回は、首藤先生。そして、今回は……
石川晋先生です!!
「こくちーず」で検索するとたくさんのイベントが出てきます。
どのイベントにも様々な、いかにもなタイトルがたくさんついております。
リフレクション、生きる力を問う、教室の成長、授業づくりのイノベーションなどなど。
そんな中、今回の「あるある会」でのタイトルは、「石川晋さんと教育談義」。
このタイトルがいかに贅沢か、参加して分かりました。
個人的には「石川先生の話したいことが、私たちにとって石川先生から一番聞きたいことなのではないか」と思う。それが適った時間なように感じた。
石川先生は目的とそこに向かうために相手へのダイヤル(言葉、タイミング、媒介)を合わせられるお方。その繊細で大胆なアプローチは、アーティスティック。はたまた、言うなれば、カウンセラーでもある。そして、そのプロのカウンセラーに、さらに国語の専門家であるからこその芳醇で潤沢な言葉のチョイスが加わり、石川先生の話しを聞いている人は誰もがうっとりと虜になってしまうと思う。私のわけの分からない語彙が崩壊している言葉づかいによる質問でも、真意を汲みとってくださって感激する。1の質問に10も20も100くらい答えてくださる先生です(質問におまけをつけられる人が羨ましい)。この域に達していたら、教師という仕事がとても楽しいと思う。人間と関わることそのものが楽しいだろうなあとも思う。私は石川先生にとても憧れる。
金言だらけだったので、一部をメモしておく。
(一部なのは、現役の先生の話で、オフレコなこともあったため。)
1.「第一にアセスメント」
これはもう絶対そう。100%そう。気をつけよう。私が別のところで聞いた話では、第二が環境整備、第三が特別支援教育、一人ひとりへの手立て。
2.自分の仕事は自分が必要なくなること
石川先生のファシリテートがなくても、学校があたたかく話し合える場になることが大切。ただ、冷え切った職場、固まった土には、耕し温めるための【外部のリソース】が有効とのこと。たとえば校内研究には「教科のオーソリティというよりは、ファシリテータが必要」なことが多いとのこと。そして、校内研は「仮説→検証型より仮説→生成型」という話も印象に残った。
3.「学校っていうのは本当に面白いところなんです!」
共感した。涙が出そうになった。これは「=人って(人そのものって、人の営みって、人のつながりって、人のストーリーって)本当に面白い」ってことだと思う。子どもにそう楽しんでもらえたらいいなあ。この見方・感じ方で人間を見られたら学校は本当に最高に面白い。学習指導要領と照らし合わせて子どもを見取ることも大切(そういう仕事だから)、でも学習指導要領だけで測るようなことは違う。というより、本当に学習指導要領だったらいいのかもしれない(幅広いし、柔軟に抽象的なところもある)。でも、それが、そこから生まれた教科書の業者テストの結果に対する他のクラスの先生やお家の方の反応を通じた見取りだったらちょっと苦しい。そうでない学校の面白さは、それこそ人間関係のテーマパークもとい人間のテーマパークかもしれん。かかわる人間全員がミッキー状態。どの子もどの人もキャラクターグリーティング的な雰囲気でね。
4.トリミングしたところしか見ていない
人は、自分の大事なダイジな超高級メガネで世界を見ている。そのメガネに移っていないものは見えない。ある動画を見ても、どこに注目しているかは、人それぞれ違う。授業参観でも同じで、参観者がフォーカスしていないところをいくら言っても人は聞けない。だとすれば、「まず聴く」が必要になってくる。ファシリテーションで一番大切なことだと捉えている。まず発散ってこと。
5.別なことでケアされることはないのではないか。ルサンチマンで仕事をしたらうまくいかない。自分の実感を手にして次へ。
温かくて重い言葉。ケーキがほしいのに羊羹食ってる状態。それでは傷は癒えないのではないか。
6.聴く→質問する→勘どころが分かってきた
質問させていただいた。「ファシリテーションの真髄みたいなものがあれば」というような質問をした。それもそうなのだけれど、聞きたかったのは、どうして・どのようにしてファシリテーター的な石川先生は出来上がったのか、を聞きたかったのだった。石川先生は、一瞬でそれを察知してくれて、流れを話してくれた。本当にありがたかった。
7.言いたくなるのは、近しいから
他の方の別の質問へのお答え。言いたくなることはないのか?ということについて。そのお答えにも納得。なるほどと思った。人は近しいから口を出したくなるのだった。その子を変えたい、なんとかしたい、どうにかしようと考える、近しい間柄だと思うから口を出したくなるのだそう。だから、自分の子どもだと余計に口を出したくなるとのこと。そうなのだなあ。先生の場合は、仕事としてその変容の責任を被っているって思うからつい口出したくなってばかりかな。
それでも、言いたくなったら……「その場から立ち去る」。ルールを作っておくこと。もしくは子どもに「何か言ってあげて」とお願いして、言いたい気持ちをギフトする。
8.その「フォーカス」を外せるか
最後の方で出た、全体をひっくるめた話の肝かと思う。人はそれぞれの文脈をもっている。自分が自分の文脈で人を見ていることにまず気がつき、そのメガネを使っていることに自覚的であること、また使わないことに意識的であることなどが大切なのだと思う。カウンセラーに必須の能力と言われるようなことだけれど、子どもの実態そもそもの多様性や、職員室内の多様性、お家のかたのニーズの多様性に応じるためには、その「しなやかさ」が必要な時代になっているということだった。石川先生は『学校でしなやかに生きるということ』という本を書いている。「しなやかさ」という言葉を選んでいるのにも、いろいろな意味づけがあるのだと思う。勝手な考えではカメレオンのように自分の色自体を変えてしまうのではなく、あくまで当然に自分は自分として、葦のように自分の身をゆだねたり、折り曲げたりといったように、態度や行動を変えることを指しているのだと思う。ただし、人が「しなやか」さを得る場合、葦が風や水の流れによって同じ方になびくのと違って、それぞれが好き勝手になびいているから、自分にとっても相手にとってもその個(人と人との間の単位としての個)に応じたカスタマイズはいるし、自分が今どんな態度や行動をしているか意識できなければ、正面衝突してしまうかもしれない。本当の意味で「しなやかに生きる」とは、少しだけ鍛錬がいりそうである。そして、大人たちが、そういう鍛錬が必要な場にしてしまったのだとも思う。子どもがありのままいても「しなやかでいられる場」が望ましいなあと思う。成長過程だし。しなやかでいられるように、根をしっかりと張れるように環境を整えるってのが仕事でもあるかもしれない。
9.土壌が耕されたらそこにいい種を植えていい作物を育てたいって思う
校内研で、土壌が耕されれば、先生たちの目は、自然に教科教育や特別支援教育に向いていく。
子どもの話では「丁寧にアセスメントして、必要なものが出てこないければ学習指導に種を植えてあげないと、芽は出てこない」。そういう意味で「方法を渡してあげることもいる。そして選んでいってね」と話していた。
ちなみに、草の根的に校内の土壌を耕す方法として「空き時間に湯呑やお菓子もって、別のブロックに行って話す。これを2週間続ける(小学校はもう少しかかるかもしれない)と変わる」と話していた。4月の後半にやれば、ゴールデンウィーク前に職員室が変わるぞ、と。ダメだったら別の方法を考えればいいということで、試してみてってことでした。
振り返ってみると、金言だらけの3時間だった。さらに、内容も当然ですが、石川先生の軽快な語り口と、歯に衣着せぬで、耳も楽しい時間でした(つっこみを入れているときとシリアスな雰囲気のときが、阿部サダヲさんに似ている感じも個人的に好き)。
「あるある」で準備をしてくださっている方々、席の近くでお話してくださった方々もありがとうございました。また遊びに行きたいです。
途中なぜか心臓が痛かった。あおせんが「心に刺さる」と表現されていて、それと同じと思う。その痛みはどちらこというと心地よいものだった。
他にも、サークルのうまみ、機会を奪わない、一貫して子どもに聴く、静か系の子の学習課題、読むのに骨がいる本を読む、隣の人が何をしているか知らないって違和感、学校というのは基本的にはゴール主義、などの刺さる言葉もあった。
「人と人が知り合うこと」、それだけのことが上手くいっていないのかと思う。また灰谷健次郎の詩も浮かぶ「人を愛するということは まだ知らない人生を知ると言うことだ」。知る楽しさ、人とつながる楽しさ、自分が成長する楽しさ、これを子どもたちが感じられるようにしたい。
これは、自分事なのだけれど「対立歓迎でいたい」「自分の絵が描けるようになりたい」ってことも思った。
石川先生は、人を人間でいさせてくれる人です。
あと、学校の楽しさを知っている人だ。
私もそう在りたい。
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