学習指導要領の見方が未だによくは分からない。その都度必要なときに見て学んでいくという感じになってしまう。
ただ、評価を考えるときに、すっと見られたらいいのにと思う。その度にどこに何が書いてあるのかを見つけるのが辛い。
特に、今更になって気がつくのは、教科ごとに随分違うということだ。その前提を知らないと、他の教科に書かれていないものを探してしまってタイムロスになる。
さて、評価に必要なのは、「目標」と「内容」の項目だろう。
それが、書かれていることがどの「観点」を表しているかが、分かると話は早い。
作業内容としては、
- 「目標」と「内容」の把握
- 内容と題材を見ながら、付けたい力も踏まえて、観点別に評価のタイミングや評価方法などについて考える(付けたい力は、とりあえず学習指導要領の言葉を借りておいていいと思う)
ポイントは「まず、学習指導要領を見ること」だ。
はなから「解説」を読みはじめると、脳疲労が増す。
私は今年度、低学年なので低学年についてまとめた。
他の学年もこの構造自体は変わらないので、学習指導要領を見るときの参考になればと思う。
を評価の観点」について理解を深めるのに、以下のハンドブックが役に立つ。
「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」の観点について端的に説明されている。
参考:「学習評価の在り方ハンドブック(小・中学校編)」https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/gakushuhyouka_R010613-01.pdf
とりあえず、技能教科について見た。
目標と内容の書かれ方の構造
「目標」は見やすい。どの教科も同じような構造で書かれている。
「教科の目標」も「各学年の目標」も()が表すものは同じである。
(1)知識・技能
(2)思考力・判断力・表現力
(3)主体的に学習に取り組む態度
「内容」が、各教科によって変わるため混乱する。
一応、googleスプレッドシートに一覧のファイルをつくったので、リンクを貼っておく。
(教科の順番が下と違っちゃいました)
(体育が三つの領域までしか入力していませんでした)
分かりにくいと思うけれど、教科ごとに言葉でも書いておく。
音楽
「学習指導要領」の「第6節音楽科、第2各学年の目標及び内容、2内容」より。
追記:目標と内容の一覧表が、「解説」の「内容の構成」のところにありました。
(第1学年及び第2学年)
1 目標
(略)
2 内容
(以下、下線は構造について書く)
A 表現
()指導事項
ア 思考力・判断力・表現力
イ 知識
ウ 技能
B 鑑賞
()指導事項
ア 思考力・判断力・表現力
イ 知識
〔共通事項〕
()指導事項
ア 思考力・判断力・表現力
イ 知識
図画工作科
「学習指導要領」の「第7節図画工作科、第2各学年の目標及び内容、2内容」より。
追記:目標と内容の一覧表が、「解説」の「内容の構成」のところにありました。
(第1学年及び第2学年)
1 目標
(略)
2 内容
(以下、下線は構造について書く)
A 表現
(1)思考・判断力・表現力
ア 造形遊びについて
イ それぞれの活動について
(2)技能
ア 造形遊びについて
イ それぞれの活動について
B 鑑賞
(1)思考力・判断力・表現力
ア 鑑賞の対象について
〔共通事項〕
(1)指導事項
ア 知識
イ 思考力・判断力・表現力
体育
「学習指導要領」の「第9節体育科、第2各学年の目標及び内容、2内容」より。
(第1学年及び第2学年)
1 目標
(略)
2 内容
(以下、下線は構造について書く)
A 指導項目
(1)知識・技能
(2)思考力・判断力・表現力
(3)主体的に学習に取り組む態度
(AからFまで同じ構造)
3 内容の取扱い
(略)
体育が一番丁寧に書かれている。「態度の観点」について活動ごとに示してくれているのは体育だけである。
主体的に学習に取り組む態度について
その他の教科についての態度が、実際の児童の姿でいうとどのような姿なのかは、各々検討が必要である。
学習指導要領の目標に書かれている文言と国研の資料(指導資料・事例集:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research)を参考にしながら、情報収集や教師同士での対話が必要だと思う。そこから、その態度の妥当性を担保するほかないだろう。
また、実際の規準や基準を言語化する際には、国研の資料にも目を通した方が、共通理解できる相応しい言葉で評価を設定できるはずである。
評価方法について
再び、ハンドブックを参考に。
「知識・技能」
「知識・ 技能」の評価の考え方は,従前の評価の観点である「知識・ 理解J,「技能」においても重視してきたところです。 具体的な評価方法としては,例えばペーパーテス卜において,事実的な知識の習得を問う問題と,知識の概念的な理解を問う問題とのバランスに配慮するなどの工夫改善を図る等が考えられます。また,児童生徒が文章による説明をしたり,各教科等の内容の特質に応じて,観察 ・ 実験をしたり,式やグラフで表現したりするなど実際に知識や技能を用いる場面を設けるなど,多様な方法を適切に取り入れていくこと等も考えられます。
「思考力・判断力・表現力」
「思考・ 判断 ・ 表現」の評価の考え方は,従前の評価の観点である「思考・ 判断 ・ 表現」においても重視してきたところです。具体的な評価方法としては, ペー パー テストのみならず,論述やレポー 卜の作成,発表,グルー プや学級における話合い,作品の制作や表現等の多様な活動を取り入れたり,それらを集めたポー 卜フオリオを活用したりするなど評価方法を工夫することが考えられます。
「 主体的に学習に取り組む態度」
具体的な評価方法としては,ノー トやレポー ト等における記述,授業中の発言,教師による行動観察や,児童生徒による自己評価や相互評価等の状況を教師が評価を行う際に考慮する材料の一つとして用いることなどが考えられます。その際,各教科等の特質に応じて,児童生徒の発達の段階や一人一人の個性を十分に考慮しながら,「知識・ 技能」や「思考・ 判断 ・ 表現」の観点の状況を踏まえた上で,評価を行う必要があります。
参考:「学習評価の在り方ハンドブック(小・中学校編)」https://www.nier.go.jp/kaihatsu/pdf/gakushuhyouka_R010613-01.pdfP8より
とりあえず、評価について一歩足を踏み出すための参考になればいいなあ。