価値観の多様化は、人の対等化を生む。
大人も子どもも関係なくなって、意見・異見を言いたい放題です。
それはそれで良いところもあるのだろうけど、自分に都合の良い考えだけを追い求める人間にはならないようにしたいな、と思うところです。
生きやすさの答えが、人間として相応しいか、というのは問わなければならないところだと思うのです。
前の記事でも、「先生だから聞く」はない、と書きました。
偶然、パラパラ見ていて書かれていたのですが、高学年にとっての注意できる「誰か」になるのはやっぱり重要だと書かれている本も見つけました。
思春期の子どもとつながる学級集団づくり (学級を最高のチームにする極意)
- 作者: 赤坂真二
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2015/08/06
- メディア: 単行本
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そのコツとしては、やっぱり〈人権感覚のバランスの良さ〉が肝心だと私は思っています。
本当に正しいことって、強くて、優しくて、誰もが心動かされてしまうところがあると思うのです。
もう少し言葉を加えると、結局〈時間をかける〉ってことです。
もう一つ今「すごいな」と思っている本に『世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え』という本があります。
世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え: 世界の第一人者100人が100の質問に答える
- 作者: ジェンマ・エルウィン・ハリス,タイマタカシ,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: 単行本
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全部で100個、子どもたちからの質問が書いてあって、その質問にイギリスの著名な方が答えているという内容です。
翻訳ということもあってか、答えが端的に書かれているように感じます。多くても2ページで回答がされています。しかも、面白い。
質問の4つ目に「どうしていつも大人の言うことをきかなくちゃいけないの?」という質問があります。
回答では、共感しつつ、考え方やアイデアを教えてくれます。
(前略)
わたしだって、これでもいちおう大人だけれど、年上の人や目上の人からなにかをしなさいと命令されて、ひどく腹が立ち、その人の言うことはまちがっていると感じることがある。
ただ、なんだかんだ言っても、年上の人には自分よりずっとたくさんの経験と知恵があって、正しい判断をしていると思わなくちゃ。
しかもわたしたちのことが大好きだから、わたしたちが危なくないように、わたしたちのためになるように考えているのよ。
(後略)
なんていう風に書かれています。
〈経験〉と〈知恵〉のある大人でいたいですよね。
それと長い間生きているという〈歴史性〉。その尊さを子どもたちが感じられるほど、一人の人間として教師が密にかかわれるといいのになあと思いました。
〈誰が正しいか〉ではなく〈誰もが正しい〉。
そうしたときに、私たちは、誰かの意見を大切にする世界ではなくて、誰もを大切にするための世界を演出できるのかもしれません。