かならず幸せになれるいきもの

おしゃべりによる出現する未来から学ぶ

集団づくりに必要な視点(信頼関係を構築するロジック)#1

学校や教育機関の大切な良さの一つは、集団で育つというところだと思います。 

私は、個人的に人間の醍醐味は「人とのかかわり」だと捉えているので、集団作りの優先順位は高いです。

そして「人とのかかわり」が楽しいと思うことができたら、子どもたちは学校の全教育活動を前向きに取り組んでくれると思うのです。

好きなことを友だちや先生とするのは当たりまえに楽しい!

反対に嫌いなことや苦手なことも、誰かとするから楽しい!と思えるということです。

 

やってみようという意欲や、頑張って力を振り絞れるのは、いつだって誰かがいるからだと思うのです。 

ですから、集団づくりは大切だと思っています。

ここにあるキーワードの解説は「保育用語辞典」を参考に書いています。

 

1.集団づくりとは

「保育用語辞典」には、このように書かれています。

集団づくり

それぞれの子どもが、園生活を通じて、人を信頼し、安心して過ごすことができると、自信と意欲をもって生活するようになる

徐々に気の合う友だちができ、誘い合って遊び始める。かならずしも同じ遊びを望んでいるとは限らないが、一つの提案に取り込まれるような形で始まる。そこでの経験が楽しく豊かであると、その一つの提案が「自分たち」の遊びや取組として認識され、仲間意識が生じる。(後略)

ここから、分かることは、人を信頼し、安心して過ごせなければ、その場において自信と意欲をもてないということです。

安心できない場では、自信や意欲をもってすごしても、それを蔑む存在がいるからかもしれません。そうすれば、せっかくの自信や意欲も言葉によってバカバカしいものになってしまうかもしれません。

安心や信頼がないのに、集団づくりを行い仲間意識を抱かせるのは、どこか順序が違うということになります。

また、ここには、経験が楽しく豊かである必要性も書かれています。楽しくないことをして、仲間だと感じるのも無茶だということですね。

じゃあ、まず、どうしたら信頼して安心できるのか。

そのヒントが「安定感」の項目にありました。

 

2.信頼関係を構築するには

安定感(情緒の安定)

感情の表出の多くが悲しさや怒り、嫌悪感であったり、感情の起伏が激しいと情動の分化が妨げられ、他者とのかかわりのみならず、心身の発達にも影響が及んでくる。

しかし、養育者が子どもの気持ちにそって対応することで、子どもは行動の結果を予想しやすくなることから、養育者に対して信頼感をよせることができる

すると子どもの中に情緒の安定をもたらし、これから直面するであろう新しい状況や人に対して立ち向かっていく力になる

 簡単に言うと、嫌な気持ちになる時間が多いと、その場を管理している人に信頼をよせられないという話です。また、過ごしている時間の中にイレギュラーがありすぎても不安だということでしょう。

たとえばの視点として、注意をするなら「注意と称賛を半分にしたときに0.1でもいいから称賛を多くしておけ」ということを思います。何かを注意したかったら、普段の生活の中でそれよりも多くほめておかなければ、安心して相手を信頼して聞けないということです。

そうすれば、嫌悪感が多くないですよね。 

 

3.悲しさや怒り、嫌悪感はどこからくるか

「安定感」のためには、悲しさや怒り、嫌悪感が多いとよくないとわかりました。では、子どもはどんなときに悲しんだり、怒ったり、嫌悪感を抱いたりするのでしょうか。

それは、やっぱりイレギュラーがないことです。こんなはずじゃなかったというイメージでしょうか。自分の欲求が通らない、伝わらない、分かってもらえない。こんなときに子どもたちは、悲しみの感情を抱くのではないでしょうか。

でも、そこで「大丈夫」と子どもが思えるようにすることが大人の役割だと思います。そのために大切なことは、「認める」だと思っています。

認める援助 

幼児が自分で努力したこと、工夫したこと、葛藤や挫折を乗りこえたことなどをあたたかく受けとめ、ともによろこんだり励ましたりする援助のあり方をいう。

今のその子のありようを受け取めることである。今ある頑張りや、間違いもその子そのものとして受け止めることで、子どもは自分がいていいのだと安心できるだろう。よくないことは、受け止めたあとに注意する必要がある。

もちろん暴力が激しすぎれば、相手を傷つけないために、その子を加害者にしないためにも速攻で止めなければならないときもあります。

そして、今のその子のありようを手放しで受け止めることができたなら。それは、愛情と言えるかもしれません。

愛情

人は一人だけで幸せを感じることのできる生き物ではなく、常に特定の他者に向かい、その他者と身体的に接触し、気持ちがつながれて初めて幸せを感じる生き物である。このように特定の他者に向かい、その他者とつながれることを喜びとすることを愛あるいは愛情と呼ぶことができる。

他者とのつながりを喜びと思えるということは、他者といることを喜びと思えるということだと思います。その子の存在を認めて受け入れることが、信頼や安心につながると考えられます。

 

ここでは、

○集団づくりに必要なことは、信頼と安心。

○信頼と安心には、認めること、受け入れること、愛情などが関係している。

集団づくりに必要な場や環境、信頼関係と安心について書きました。

 

次に、「認める視点で大切なこと」について書きます。

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