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それでも幸せな人はいるから

特別支援学級の担任をしていて感じたこと。幸せな子ども時代を過ごす子どもが一人でも多く増えるように

【1学期】「自尊感情を高める方法」と思ってやったこと

指導のネタ 特別支援教育の視点 自分なりの視点

私が一学期の間主に担当したのは、一時間目の自立活動でした。

朝脳を活性するための運動や感覚統合運動、コミュニケーション力、ソーシャルスキルを身につけるための内容を意識していました。

 

個人的なねらいとして「クラス全員が誰とでも手をつないで輪になれるクラス」を目指していました。

他の人がイスを使うと怒るくらいの実態があったため。

 

【やったこと】 

・「体ほぐし」の運動(身体が自然と触れることを意識して取り入れました)

・表現→見る・聞く(ジェスチャーゲーム、ステレオゲーム、スリーヒントクイズなど、見たり聞いたりして相手と交流することを取り入れました)

・私は誰でしょう(4、5問程度のアンケート用紙をつくり、○○が好き・嫌い、自分の良いところ、好きなものなど、他者意識を高めるためには自己認知が重要という視点から取り入れました)

・客観的なSST〈常識シリーズ、◯◯スキル〉

(常識シリーズは、中学校に行って苦しまないための内容です。校長先生の話のときは友だちと話さないで聞く、先生に質問されたら「はい」と言って答える、掃除の時間は掃除をするなど、SSTの本をもとに場面を取り上げて話しました。担任が言っているのではなく、客観的な本の情報などが大切と言っているところがポイント。)

(○○スキルは、以下の本にある内容をもとに、「お願いスキル」や「断りスキル」、「協力スキル」などを箇条書きにして学びました。)

クラスで育てるソーシャルスキル

クラスで育てるソーシャルスキル

 

 

・認める〈クラスに存在の場を構築〉(子どもたちの中には、なんら学習指導要領と関係のないことをしたがる子がいます。発泡スチロールでゲームのキャラクターを作りたいだの。その子は、しょっちゅう学校を抜け出そうとしたり、眠いといって屋上に続く階段で寝たりする子でした。しかし、そのやりたいことを認めることで、教室にいることができて、さらに、その子の思いを受け止めたことで、教室で他の活動をする時間も増えました。活動ができるように、というよりは、本当に少し増えた程度ですが、「認める」って本当に重要です。特別支援学級は、学習指導要領はひとまず置いておいて、ピンポイントフィッティングで子どもを優先するのも一つの手です。)

・目標を立たせて達成(ブリーフセラピーの視点から、適切な目標を立ててハードルを越えさせることが大切ということを受け、子ども自身に少し頑張れば絶対に越えられそうな目標を達成させた。たとえば、今年度一度も通常級の交流の教室に入れていない子が、通常級で授業を受けることを目標にしていたりするが、それは理想と現実が離れすぎている。もっと現実的でいいよ、と伝え、給食を取りに廊下の前まで行く程度でもよい。ある子は給食の牛乳を取りに教室に入れた喜びを日記にB5のノート2ページぎっしり書いてきた。)

・学習をできるように(その子なりの力を生かして学習が成立するように助けた。算数に関しての情報が全然覚えられない子がいる。でもそれでいい。その子の強みは字を書くのが好きなこと。ならば、ノートに書いて、ノートを見て答えられればいいんじゃないか、ということで、苦手も得意を生かして学習が成立するようにして自身につなげた。)

・スケーリング(自尊感情には「役に立つ経験」から自信を持つなどと言われる。助けるための他人を理解するには「他者意識」が重要になる。しかし、他人を理解するのは、自分に浮かぶ気持ちと照らし合わせて共感できてはじめて可能になる。そのために、自己認知が第一に必要だと考えて、毎朝自分の今日の気分を1から10で答えさせ、その理由も聞いていった。すると、自分を見つめる癖がついてきて、気分によってうまくいったりいかなかったりすることが理解できるようになった。)

・朝全員話す(発言の量が多い人ほど、権力をもつようになると言われる。誰も委縮しないように、全員が同じ場で発言し、その発言を聞くようにすることで、一人ひとりが存在感を抱けるようにした。)

・声出し(考えを表現する力の中で、結局声が出ないとどうにもならない部分がある。校庭に出てある程度の距離が離れていても声を届けることができるか競争したり、誰かが水泳で級が上がったりすると、喜ぶ時間をつくって、みんなで「イエーイ」と叫ぶようにした。)

・朝の会ポジティブを入れる(ポジティブシンギングについて伝えていった。セロトニンを出す方法や、良い悪いは捉え方次第など、ポジティブ心理学に関することを伝えた。)

・付けたい力を訴える(誰も落とさない姿勢の徹底、子どもの正義感を引き出す。)

・会話練習(台本ありで、質問したり答えたりさせる。)

・子どもたちに決めさせる(自律活動の際などに、自分たちで案を出し合いリーダー役をやらせて活動を運営する時間を設けた。また、いつも子どもたちに決めさせるスタンスでいた。下手すると放任なのだけど、成長する方への説得も常に忘れないようにする。)

・目標を作り上げる(6月くらいまでかかったけど、子どもたちの言葉で目標を考えさせた。幸せな大人になるために……なんちゃらっていうのがうちのクラスの目標である。)

・学び合いのときをつくる(気分によってのる時とのらない時とあるのですが、話し合いを積極的に取り入れるようにした。そうすることで、何にもやろうとしない子も、会話に入って積極的に答えてくれることが多かった。)

・モデルを見る(Eテレの番組「カラフル」を見せた。高学年の子でホームレスを助けたりかっこいい活躍をしている子がいる事実を知らせて、みんなにだってそういう力はあって、結局誰かのために何かをやろうとするか、やらないかの差だよ、みたいな話もした。)

・否定しない(これは、大人の姿勢。自分自身のモットー。)

・自分で決めさせる(無理強いはしない。正直教師は何もできないときもあって辛いのですが、結局、自分で決めるように促して、やらなくても「今日はそういう日なんだね」と流して、否定しないで見守ることが一番返ってくるものが大きい。)

 

と、大体こんなところです。

この中のどれかが響いて「自尊感情」育めたらと思っていたのですが、結果は惨敗でした。

夏休み前に、量的調査をしたのですが「自尊感情」は上がっていませんでした。依然として最低の部類でした。

しかし、上がったところがあって、「クラスの友だちに大切にされていると思う」や「このクラスになってよかった」などが上がっていました。

 

私は、友だちの中で「役に立って」自己肯定感を得たり、ほめられることで自尊感情が伸びるわけではないのだな、と痛感しました。

 

夏休みに入って一冊の本に出会い、今二学期にまた仕掛けているところです。

 

教室で自尊感情を高める―人格の成長と学力の向上をめざして

教室で自尊感情を高める―人格の成長と学力の向上をめざして

  • 作者: デニスローレンス,Denis Lawrence,小林芳郎
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  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 単行本
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これで自尊感情が上がれば、やはり大切にすべき理論はあるのだな、と感じられて、いろいろな人と共有できたらいいなというところです。

 

「役に立つ」「ほめる」だけじゃしょうがないっていうのが分かるだけでも、有用そうですよね。

 

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