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【まとめ】インクルーシブ教育とは(後編)

どんどんどんどん進めよう!つべこべ言わずに進めよう!な「ハピペン」です。

これもまた、半年以上ぶりにまとめます。

 

これのつづき

inclusive.hatenablog.jp

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そもそも伝えたかったズレ!

文科省から出た、「インクルーシブ教育」に関する様々な定義。「共生社会」を目指す文言。これはこれでいいと思います。現状相応しい。

 

それは、過渡期であって、「共生社会」を目指す、短・中・長期的目標であると捉えることで納得しましょう。

 

ただ、その到達したい先にある様々な背景や内実のようなものが、分からないまま今を受け取っていってしまうことに、問題がある。と感じたわけです。

 

要は、「共生社会って何?」とか、「どこのための今?」って状態では、今必要なことを実行しようとできないよね、ってことです。

 

その根拠が、

□障害者政策委員会と内閣とのズレ

□障害者政策委員会と文科省とのズレ

です。

 

背景となるのは、「サラマンカ声明」や「改正障害者基本法」や「障害者の権利に関する条約」などです。

 

これらが示していることの「解釈」や「立場」の違いがズレを生んでいるのだと思います。

※注:ズレがわるいってわけでもどちらかが一方的に違うということでもありません。

ただ、どちらの主張も「知る」大切さはあると思うのです。どちらかだけを正しいと思うことがマズイと。

 

なぜズレが生まれるか?

それは、「<共生社会>の目指し方」や「インクルーシブ教育」に正解がないからです。

そこにいる人々によって「インクルーシブさ」は変わるのです。

それは、どんな教育が未来の子どもたちにとって「正解」か分からないことと同じ理由です。

 

必要になる前提は一つだけです。

それは「インクルーシブ教育」は、そこにいる人々の合意形成によってしか見えてこないってことです。

そして、そのために必要になるのは「対話」だろうと思います。

 

気をつけるべきことは

上の※注:でも言いましたが、「どれが正しい」や「正解はない」ってことです。「インクルーシブ」に関する視点は「決まっているもの」ではありません。

だからこそ、文科省は「インクルーシブ教育システム」と、システムを作っているにすぎないことは明示しているわけです。

システムという枠組みを示しているだけなのです。<目指すところ><就学先を決定する仕組み><合意形成><合理的配慮・基礎的環境整備>の法的根拠など。その中身、実際、具体はいくらでも合意形成によって変更・調整ができるようになっています。

※ただ、その枠組みの前提が、国際的な実態とズレているところがあるという課題は残っています。それは、過渡期であってプロセスである。というところに含まれると信じるしかありません。(障害のあるなしにかかわらずすべての子をインクルーシブするのか?またフルインクルーシブを目指すのか?といったところです。)

 

以上がまとめになります。

今後は、じゃあ「どうすればインクルージョンできるか?」を書いていけるように頑張ります。

 

そのはじまりはこちらの記事から。

(後日リンク)

 

インクルーシブ教育とは(完) 

(おまけ1)そして、気づいてしまった間抜けな私

文科省のインクルーシブ教育システムの構築は、当然に法律を受けてのものである。条約を基に、法律が変わったり、整備されたりした。

 

そのため、「サラマンカ声明」「ユネスコのインクルーシブの定義」は吟味されていないわけである。

 

・障害者の権利に関する条約→<合理的配慮>→障害者差別解消法

・障害者の権利に関する条約→インクルーシブ教育→<就学決定を決定する仕組みの改正>→学校教育施行令一部改正

といった具合に

 

そのため、とある理念を思っても、法的根拠としてのアピールは難しいのだな、と今更になって分かりました。

 

「障害についてのインクルーシブとは」は、かなり深めることができたが、

サラマンカ声明やユネスコの定義する「すべての子ども系のインクルーシブ」については、日本では当分は草の根運動的なものになるのでしょう。

 

(おまけ2)ズレを感じた<議事録>のリンクたち

注:実際、捉え方次第でズレはない可能性はあるのだろうとも思っています。(出てきた構造に従うしかない部分はあるわけで……何を真実とするかは、人それぞれ根拠によって変わってしまうというね……)

(1)障害者政策委員会と障害者基本計画

<障害者政策委員会>

内閣府副大臣として障害者政策を担当している前川清成副大臣に議論を集約した取りまとめを渡す回

障害者政策委員会(第5回)議事録 - 内閣府

②その取りまとめ

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/pdf/kihon_keikaku/honbun.pdf

③(第3次)障害者基本計画(原案)(平成25年7月)

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/k_6/pdf/s4.pdf

<障害者政策委員会>

④(原案)に驚いている回

(東大 福島教授)この後、御説明があると思いますが、ざっと拝見した限り、失礼ながら、昨年の12月のものと比べてかなり後退してしまっている。後退と言ってはあれですが、必ずしも十分ではないと思います。この後、多分いろいろな議論が出ると思うのです。それを踏まえて、再度政府で調整いただいた後、果たしてこの政策委員会にフィードバックいただけるのかどうか。

障害者政策委員会(第6回)議事録 - 内閣府

⑤(原案)の修正後についての回

「可能な限り反映していただいて」と幕を閉じる。

障害者政策委員会(第7回)議事録 - 内閣府

印象としては、とにかく時間がなかった感じ。

⑥(第3次)障害者基本計画(平成25年9月)

できあがったもの。

障害者基本計画(第3次)本文 - 内閣府

「②と⑥」を比べるとズレがあるなってことです。個人的には「他の者との平等」についての記述がなくなったことが気になりました。(平等を前提にすると、基準が広すぎるからかなとも思いましたが。)

 

(2)特別支援教育の在り方に関する特別委員会と

特別支援教育の在り方に関する特別委員会>

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第6回) 議事録:文部科学省

「論点整理」(案)ができました。

<障害者制度改革推進会議>

障がい者制度改革推進会議(第25回)議事録 - 内閣府

「論点整理」(案)を<障害者制度改革推進会議>で見てもらいました。

結構、切られる。

特別支援教育の在り方に関する特別委員会>

特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第7回) 議事録:文部科学省

「論点整理」(案)が切られました。ということについて。

文科省の中だけで考えていることと、内閣の障害について担当しているところとでは、盛り込まれる考えに差があるということを思ったのです。

 

究極!

結局は、差別がなくなることが大事。

土台としての法整備や理念は言葉化されているのだから、それを知ってどう広げていくか。

そして現場レベルでそのためには、どうすれば、差別になりえないかの視点が様々に必要。特に<社会性>と<学力>っていう視点は、個人的には重要だと思う。

そして、学校は「学級に障害がある子もない子も迎え受け入れられる<フルインクルーシブ的>な環境を整えておく」っていうのが、当面の筋なのかな、って感じです。 

 

以上。