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各教科の「見方・考え方」の一覧

深い学びを実現するためのキーワードとなる「見方・考え方」を意識したいにもかかわらず、いちいち学習指導要領解説がないと確認できないのが辛いので一覧にしたい。

 

「深い学び」とは

習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。 

(答申)中教審第197号より 

 

以下、解説からの抜き書き

 

国語科(言葉による見方・考え方)

言葉による見方 ・ 考え方を働かせるとは,児童が学習の中で,対象と言葉,言 葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い方等に着目して捉えたり問い直し たりして,言葉への自覚を高めること

 

社会科(社会的事象の見方・考え方)

社会的事象の見方・考え方は、社会的事象を位置や空間的な広がり、時期や時間の経過、事象や人々の相互関係などに着目して捉え比較・分類したり総合したり地域の人々や国民の生活と関連付けたりすること。

 

算数科(数学的な見方・考え方)

「数学的な見方・ 考え方」は,「事象を,数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,根拠を基 に筋道を立てて考え,統合的・発展的に考えること」

 

理科

理科は、領域ごとに「見方・考え方」が示されている。

 

領域ごとに書かれた背景のようなもの

理科においては,従来,「科学的な見方や考え方」を育成することを重要な目 標として位置付け,資質・能力を包括するものとして示してきた。


「見方や考え方」とは,「問題解決の活動によって児童が身に付ける方法や手続きと,その方 法や手続きによって得られた結果及び概念を包含する」という表現で示されてき たところである。


しかし,今回の改訂では,資質・能力をより具体的なものとして示し,「見方・考え方」は資質・能力を育成する過程で児童が働かせる「物事を捉える視点や考え方」であること,更には教科等ごとの特徴があり,各教科等 を学ぶ本質的な意義や中核をなすものとして全教科等を通して整理されたことを 踏まえ,理科の特質に応じ,「理科の見方・考え方」として,改めて検討した。

 

問題解決の過程において,自然の事物・現象をどのような視点で捉えるかとい う「見方」については,理科を構成する領域ごとの特徴から整理を行った。

 

以下、領域ごとの「見方・考え方」

(番号は引用者)

まず「見方」

自然の事物・現象を,

 

①「エネルギー」を柱とする領域では,主として量的・関係的な 視点で捉えることが,

②「粒子」を柱とする領域では,主として質的・実体的な視点で捉えることが,

③「生命」を柱とする領域では,主として共通性・多様性の視点で捉えることが,
④「地球」を柱とする領域では,主として時間的・空間的な視点で捉えることが,

それぞれの領域における特徴的な視点として整理することができる。

 

ただし,これらの特徴的な視点はそれぞれ領域固有のものではなく,その強弱はあるものの,他の領域においても用いられる視点であることや,これら以外にも,理科だけでなく様々な場面で用いられる原因と結果をはじめとして,部分と全体,定性と定量などといった視点もあることに留意する必要がある。

 

次に「考え方」

問題解決の過程において,どのような考え方で思考していくかという「考え 方」については,これまで理科で育成を目指してきた問題解決の能力を基に整理を行った。

 

児童が問題解決の過程の中で用いる,比較,関係付け,条件制御,多面的に考えることなどといった考え方を「考え方」として整理することができる。

 

①「比較する」とは,複数の自然の事物・現象を対応させ比べることである。比 較には,同時に複数の自然の事物・現象を比べたり,ある自然の事物・現象の変化を時間的な前後の関係で比べたりすることなどがある。具体的には,問題を見いだす際に,自然の事物・現象を比較し,差異点や共通点を明らかにすることな どが考えられる。

②「関係付ける」とは,自然の事物・現象を様々な視点から結び付けることであ る。「関係付け」には,変化とそれに関わる要因を結び付けたり,既習の内容や生活経験と結び付けたりすることなどがある。具体的には,解決したい問題についての予想や仮説を発想する際に,自然の事物・現象と既習の内容や生活経験とを関係付けたり,自然の事物・現象の変化とそれに関わる要因を関係付けたりす ることが考えられる。

③「条件を制御する」とは,自然の事物・現象に影響を与えると考えられる要因 について,どの要因が影響を与えるかを調べる際に,変化させる要因と変化させない要因を区別するということである。具体的には,解決したい問題について, 解決の方法を発想する際に,制御すべき要因と制御しない要因を区別しながら計画的に観察,実験などを行うことが考えられる。

④「多面的に考える」とは,自然の事物・現象を複数の側面から考えることであ る。具体的には,問題解決を行う際に,解決したい問題について互いの予想や仮説を尊重しながら追究したり,観察,実験などの結果を基に,予想や仮説,観 察,実験などの方法を振り返り,再検討したり,複数の観察,実験などから得た結果を基に考察をしたりすることなどが考えられる。

 

他に、総合的な学習の時間の解説の中に端的に示されたものが見つかった。

自然の事物・現象から問題を見いだし,予想 や仮説をもち,その解決方法を考えたり,知識を関連付けてより深く理解したり すること 。

 

生活科

 生活科における見方・考え方は,身近な生活に関わる見方・考え方であり,そ れは身近な人々,社会及び自然を自分との関わりで捉え,よりよい生活に向けて思いや願いを実現しようとすること。

 

音楽科(音楽的な見方・考え方)

音楽的な見方・考え方とは,「音楽に対する感性を働かせ,音や音楽を,音楽 を形づくっている要素とその働きの視点で捉え,自己のイメージや感情,生活や 文化などと関連付けること。

 

図画工作科(造形的な見方・考え方)

 造形的な見方・考え方とは,「感性や想像力を働かせ,対象や事象を,形や色な どの造形的な視点で捉え,自分のイメージをもちながら意味や価値をつくりだすこと。

 

家庭科

 家族や家庭,衣食住,消費や環境などに係る生活事象を,協力・協働,健康・快適・ 安全,生活文化の継承・創造,持続可能な社会の構築等の視点で捉え,生涯にわたって,自立し共に生きる生活を創造できるよう,よりよい生活を営むために工夫すること。

 

体育科

運動やスポーツを,その価値や特 性に着目して,楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え, 自己の適性等に応じた『する・みる・支える・知る』の多様な関わり方と関連付けること。 

(保健)

疾病や傷害を防止するとともに,生活の質や生 きがいを重視した健康に関する観点を踏まえ,「個人及び社会生活における課題 や情報を,健康や安全に関する原則や概念に着目して捉え,疾病等のリスクの軽 減や生活の質の向上,健康を支える環境づくりと関連付けること。

 

外国語

 外国語で表現し伝え合うため,外国語やその背景にある文化を,社会や世界,他者と の関わりに着目して捉え,コミュニケーションを行う目的や場面,状況等に応 じて,情報を整理しながら考えなどを形成し,再構築すること。

 

総合的な学習の時間

総合も特殊です。

 探究的な見方・考え方には,二つの要素が含まれる。

一つは,各教科等における見方・考え方を総合的に働かせるということである。各教科等の学習においては,その教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら,教科等の目標に示す資質・能力の育成を目指すが,総合的な学習の時間における学習では,各教科等の特質に応じた見方・考え方を,探究的な学習の過程において,適宜必要に応じて総合的に活用する。

例えば,実社会・実生活の中の課題の探究において,言葉による見方・考え方 を働かせること(対象と言葉,言葉と言葉との関係を,言葉の意味,働き,使い 方等に着目して捉えたり問い直したりして,言葉への自覚を高めること)や,数 学的な見方・考え方を働かせること(事象を,数量や図形及びそれらの関係など に着目して捉え,論理的,統合的・発展的に考えること)や,理科の見方・考え 方を働かせること(自然の事物・現象を,質的・量的な関係や時間的・空間的な 関係などの科学的な視点で捉え,比較したり,関係付けたりするなどの科学的に 探究する方法を用いて考えること)などの教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方が,繰り返し活用されることが考えられる。実社会・実生活における問題は,そもそもどの教科等の特質に応じた視点や捉え方で考えればよいか決 まっていない。扱う対象や解決しようとする方向性などに応じて,児童が意識的に活用できるようになることが大事である。

二つは,総合的な学習の時間に固有な見方・考え方を働かせることである。それは,特定の教科等の視点だけで捉えきれない広範な事象を,多様な角度から俯瞰して捉えることであり,また,課題の探究を通して自己の生き方を問い続けるという,総合的な学習の時間に特有の物事を捉える視点や考え方である。

 

本解説 第3章で説明するように,探究課題は,一つの決まった正しい答えがあるわけで なく,様々な教科等で学んだ見方・考え方を総合的に活用しながら,様々な角度 から捉え,考えることができるものであることが求められる。そして,課題の解決により,また新たな課題を見付けるということを繰り返していく中で,自分の生き方も問い続けていくことになる。

 

特別活動(集団や社会の形成者としての見方・考え方)

「集団や社会の形成者としての見方・考え方」を働かせるということは,各教 科等の見方・考え方を総合的に働かせながら,自己及び集団や社会の問題を捉 え,よりよい人間関係の形成,よりよい集団生活の構築や社会への参画及び自己 の実現に向けた実践に結び付けること。

 

以上