思い出ってなんだっけ
人の頭の要領は、なんて単位なんだろうって思った。
ギガとかバイトとかじゃなくって、もっと奥行きのある広々とした単位な気がする。
私は、小学校の卒業アルバムに宝物は「思い出」と書きました。
ダサイ。
なんてこった。
自分でも一年前まで本当にそうなのかさっぱり分かりませんでした。
中には、宝物は命とか、お金、とか書いている人もいて本当にそれよりオレは思い出が宝物なのか、
本当はこれっぽっちもそう思っていないんじゃないか、
とか、たまに思い出して悩んでました。
けど、一年前は思い出は、下手をすれば命より、そしてお金より大事じゃないかってきれい明らかにハッと思えました。
思い出っていうのは、
本当に大切なものだ。
なぜなら、今の自分以外に自分と呼べるものは思い出の中にしかいなからだ。
人はある日、自分って感覚が遠くなったりすることがある。
あれ?あれ?って。
自分がどこかに落っこちてしまって自分が見えなくなるのだ。
何もしたくないし、食べたいものも浮かばない。
ダルい。
人これを鬱と呼ぶ……。
でもね、思い出があると復活できるんです。
楽しいってなんだったかなぁ?なんて思って考えてみると、
う~ん?あれっ?確かあれ楽しかったなぁ……うん、そうそう、そうだ!楽しいよあれは!
みたいになって、あー今度またやろうとか思った頃にはもう自分は帰って来てる。
ながーくうつうつしてしまう人は、多分思い出が足りない人。
自分が自分でいた思い出がね。
ただ楽しいとか、悲しいとか、悔しいとか、嬉しいとか。
こういう思い出がたくさんあればあるほど自分は自分でいられて帰ってくることができる。
思い出はね、自分として生きるために必要なものなんだ。
命があっても、思い出がなかったら人は多分自分としていられないんだ。
さらに私はもう一つ思うのだが、思い出は良いよ、本当に良い。
棺桶に入れられるものではなくて、思い出!集めようよ!とか思ってしまう。
棺桶に入れられるもの。お金で買えるものっていうのは全部燃えちゃうんだ。
でも、思い出は燃えない。消えない。あっちに行ってからも十分役に立つ。
思い出だけは生きているうちにしか手に入らないからね。
だからもっと集めて、あっちで楽しもうよって。
思い出自慢しようよ、思い出見せ合いしようよ、あっちでたくさん話そうよって。
オレは、思うんだけどなぁ。
そんな思い出ってなんだっけ……思い出は、あなたをあなただと証明するもの。