遅寝遅起きで明後日が危ぶまれる「ハピペン」です。
新年も続ける学びの一つ。ここだけはブレない。そして、ここで知り合う人はみんな面白い。システムでもの見ようってことを全員教わっているわけで、決して誰か一人のせいにすることのない人たちだらけ。
思えば「OXFAM」もそう。「権利ベースアプローチ」などのシステムにどう働きかけるかを考えている。これもまた、個別の問題にすることなく、大きな枠組みで捉えてアクションやキャンペーンを考える。
私がもつ根底の哲学にヒットしているから、好きなんだなあ。
「みんなが幸せになるために必要な人間の数はな何人か?」という問いの答えが私がもつ哲学だ。
今回の学び。
間接介入
これ得意になりたいなあ。
たとえば、「会話をしてほしい」という介入で「毎日一言会話をして」というのは、苦しい介入だ。会話することを意識して会話をするのってなんてぎこちないのだろう。
それよりも「毎日ジャンケンをして負けた方が肩を揉むゲームをやってください」や「二人で出かけた際に好きなデザートを食べてください」だったらどうだろう?といった話。
求めること自体をいかにやるかではなく、違ったことをさせて結果的にねらいを達成するということ。
これが上手くなったら、もっと多様なその子に合ったアプローチができるだろうって思う。
ノーマライズ
これは、クライエントが自分がおかしいんだと思っているようなこと、たとえば、
- 自分が我慢できないからいけない
- 子どもが言うことを聞かなくてつい怒鳴ってしまう
- 自分には自信がないからできない
- 仕事をしていて忙しくて片づけられない
などの私のせいでや相手のせいでと思っていることを「そう思うのも無理はないですよ」と「一般化」してあげることを「ノーマライズ」という。
ここに面白いことが書かれている。
その「ノーマライズ」することすら受け入れ難いことを先に想定して伝えることで、yesを引き出すことができる。
「おっしゃる通りで忙しかったら片づけるのって難しいことですよね。多くの人がそうだと思いますよ。そうときもありますって。だからってはいそうですかって当然すぐに納得はできないと思いますが」と伝えると
「(確かにすぐに納得はできないけれど、多くの人が忙しかったら片づけるのは無理ってのもあるかもな)」くらいの受容が得られるってことと理解しています。
この「受容」が何につながるかというと。
「解決」=「変化」と「受容」の両方
解決には「受容」がいるとのこと。これは、ただ単に生活していたら気づけないなあ。
もちろん「受容」だけでは難しい。何か困っていて、何も変わらないのにそれをそのまま受け入れなければならないとしたら、随分無茶だなあ、タフだなあと思う。
ちょっとの変化でもいいから「変化」と、その「変化」に希望を感じて「このままで良いんだ」と思える「受容」が合わさったときに「解決」となる。
そこから考えたのは、誰かに「理解してもらいたい=解決する」ってことに近いと思うのだけれど、そこには、少しの変化の実感と受容が必要なのだ。
どうすれば「このままで良い」と思えるのか。そのためには、希望や信頼の提示が鍵になりそう。あのお家の方に理解してもらいたいとき、変化を示す、また希望と信頼によって「受容」につなげることができたら、いくらか安心して日常を楽しめるのではないかと思う。
そんな中、反抗期にどう応じるかの話。
反抗期への対応
反抗期は関係への反発であって、内容への反発ではない。
「AもBも拒否される」
これにどう応じるか。どうしたってそういう時期だとしてどうするか。
ある論文では「繰り返し言う」ってことが書かれているらしい。
しかし、それってどうなの? という話で、ムツゴロウさんの本に書かれていることが紹介されていた。
その答えは「やり過ごす」だそう。
これは、ムツゴロウさんが今まで動物とかかわっていて2回死にかけた体験を基に導かれた答えだそう。
動物にも似たような時期があり、動物の場合ある日突然、なついていた動物が襲いかかってくるらしい。
ヒグマとゾウに殺されかけたのだと。
人間の場合はそこまでいかない、反抗期で殺されるってなかなかないことだ。せいぜい変なことを言っても殴られるくらい。
だから、やたらといろいろな働きかけをしてしまうものだが、「やり過ごす」ってのは一つ大事な手としてあると思った。
ならば「どうやり過ごすか」を考えると何か打開策は見えてきそうである。
そうなると、反抗期までに「自分の身を護ること」「サバイブすること」を教えておかなければ聞く耳を持たず夜な夜などこかへ行ってしまうかもしれないし、「どのような環境に身を置くか」でキケンに巻き込まれるかも変わってくる。
「知識・技能」と「環境」によって、大きなキケンからは守れるかもしれないと思った。
10日間音信不通、身体中ボコボコで17歳の娘が帰ってくるってことが起こり得るのだ。
インヒビターやカリスマティックアダルトって線もあるかもしれないが。
そして、過干渉では、反抗期にうまくは応じられないかもしれない。
反抗期という今までと違った「時"期"」に来ているのだから、「関係のルール」を当然に変える必要があるのだ。
グッド・イナフ・マザー
反抗期と過干渉などの話の際に出た。
何でもほどほどの適当が良いと知っておくのは大切なように思う。
ウィニコットという人の言葉だそう。
子どもが伸びる「グッド・イナフ・マザー」になる方法 [ストレス] All Aboutallabout.co.jp
ほどほど(ブログの文字数を!ほどほどにして!はい。すみません。)
脳が違うんだから違って当たり前
この端的な金言いい!
お母さんの思う通りに娘が行動してくれない。
たとえば「やれと言ったときにやらない」
これは学校の先生も思いがち。
しかし、人それぞれに「今だ!」ってタイミングは違う。
「じゃあ、どうすれば気持ちよくやれそうか?」を考える。
どうしたって「脳が違うんだから違って当たり前!」そう思って付き合えるといくらか楽じゃないだろうか。
どうしたって融通の効かない、力でも押さえつけられない子と対峙する経験がないと、いかに自分の考えが万能でないかは味わえないのかもしれない。
誰にでも通用する方法が素晴らしいってよりは、一人ひとりに合った方法を導けるといいよね。
そんなに難しい話じゃなくて、どんな強化子だとモチベーションが上がるか?とかでも行動を強化できる。
- 「いいね!」をグーサインで出す
- 花丸を書いた紙を見せる
- できたら握手をする
- 嬉しそうなときに感想を聞いてやる良さをメタする
- ハイタッチをする
- みんなで拍手をする
- みんなでいい言葉を言い合う
合ったやり方を。
心理療法の効果的要因
これも面白い話だった。
Lambertの論文より。
- 治療外要因(40%)
- 共通要因(30%)
- 期待要因(15%)
- 理論・モデル・技法要因(15%)
いろいろ納得。特に学校は治療外要因に頼ることが多いと思う。
- 席替えした
- 学年が上がってクラス替えした
- 担任が変わった
- お家の方が変わった
など。
先生が変わったで40%は解決する確率があるってことだ。
何を変えるべきかは分からないが、少しの変化が大きな変化を生むと考えるのがシステム論なので、「変える」って大事。
2.は、信頼関係など、心理療法に共通する要因。
3.は、プラシーボ効果のような、よくなりそうという期待。
4.が、知識・技能等なのが面白い。
その子がよくなるかどうか。40%待ちのときがよくあるけど、働きかけて少しでも確率を上げられる人になりたい。
自分の介入がなぜ上手くいかなかったのか理由を考えろ!!
たとえば、問題行動は「よくなりたい!」「よくなるための方法が何かしらある」「何かを変えたい!」というメッセージの現れだと思おう。
私たちは、常に流動的に動いているはずで、何か上手く行かなければ「何かを変える時期」に来ているってことだ。
そして、何か上手くいかないということは、何も最悪ではなく、マズイことでもなく、私たちは「まだ相応しいやり方に出会えていないだけ」なのである。
その希望を共有して、子どもを見守れたら、大人たちは強い。
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11月に行ったやつに関して何も書いていないことに気付く……今度書こう!