生まれて初めてのこと。
ああ、この歳になっても、そういうことはあるんだしん。
そして、その初めてのことが、サイアクで、サイヤクで、ずっとイヤーな、夏休みだった。
でも、そんな新鮮な目に合えていることも、やがては感謝したくなる日が来るのかもしれない。そうなんだろうなあ。
生きるってことは不思議だ。
最初に任用された学校の先輩に、「嫌なことが先に待っていると思うと憂鬱じゃないですか」と聞いたことがある。
先輩は「でも、それも、いつか必ず時間が過ぎれば終わる」と思ってやり過ごすと言っていた。
その時は、それじゃ、消極的じゃないかとか、そんなの逃げなんじゃないかとか、そんなことを思っていた。自分はそう在りたくないとも思った気がする。
でも、それが、一番効果的であったり、処方箋になったりすることもあるようだ。と今では思う。ずっと大切にしたい言葉の一つでもある。
「嫌なことはいつか終わる。しかも、思ったより嫌じゃなく。」
振り返ればいつもそうだなって思う。
嫌なことが嫌なまま終わった試しがない。
ケアできること、カバーできること、フォローできて終わることの方が多い。
今回もそうなるかもしれない。まだまだまだまだ分からないけれど、できる限り頑張って、困って、呼吸をしていれば、結局、過ぎていくように感じる。
よくない固定観念が、自分をがんじがらめにして、勝手に苦しんでいるだけなのだ。
頑張りによって、思ったよりできたり、うまくいったりする。
全力を注げていなかったけれど、自分なりに力を注いだ。
精一杯ではないけれど、全く頑張らなかったわけではない。
そんな、しょーーーもない感じなのだけれど、力を尽くしている(つもり中のつもり)。
生まれて初めて、子どもに踊りを教えた日。
「比の導入」がうまくいった
東京書籍の「比」の単元のプローグは「4つ」液体についての分量からはじまる。
- めんつゆ(水1、つゆ1)
- 乳酸飲料(水4、乳酸飲料1)
- コーヒー牛乳(コーヒー5、牛乳4)
- ハンバーグソース(ウスターソース2、ケチャップ3)
それぞれの「意味」について聞いていく。
【めんつゆ】
- よい味ができる
- 水とつゆが同じ量ということ
【乳酸飲料】
- 乳酸飲料をもとにすると、4倍ということ
- 反対に乳酸飲料は、水の4分の1
(これらは、吹き出しで板書しておく)
【コーヒー牛乳】
- コーヒーが5のとき、牛乳を4入れるということ。
〈発問〉
コーヒーと牛乳どちらが「もと」でしょうか。
コーヒーと牛乳が同じ人数で真っ二つだった。
【ハンバーグソース】
- ウスターソースがもとで、少ない方がもとの方がいい
- ハンバーグソースと「ソース」が最後についているから「ウスターソース」がもと
どちらをもとにするか、改めて聞く。
・ウスターソース→多数
・ケチャップ→少数
・分からない、悩み中、どちらでもない→2人
少ない意見から当てていく。
どちらでもないの子を指すと、キーワードを含んだ意見が出てきた。
今までは、1のやつをもとにして考えてたけれど、今回は2と3だから、どちらももとにはできない。
素晴らしかった。
「もとにするものの量を1として、もう一つのものの量をあらわすのを、『割合』といって、5年生で学習したね。」
と押さえた。
じゃあ、1じゃない時は、どう表現するのか。
それを学んでいくよ。と始められた。
大きな問い(間接的な問い)を、
「A小学校で使う、530人分のハンバーグソースは何グラムでしょうか」
とした。
「一人分が分かれば出せる。」と言うので、「じゃあ、一人分がどれくらいか確かめてみよう」とした。
教科書には、
- ただし、一人分、小さじ2:小さじ3
- みか、二人分、小さじ4:小さじ6
- けん、三人分、小さじ6:小さじ9
という例があり、どれも、2:3になることが示されている。
530人分も、ウスターソースが急に小さじ5とか、ケチャップが小さじ7とかになるわけではなく、2:3の割合でできることを確認した。
そして、1をもとにしない割合を「:」であらわし、「比」ということを押さえた。
練習問題を解いて、早く終わった人から、大きい問いに答えていく。
530人分のハンバーグソースも2:3なので、
ウスターソース→530×2=1060
ケチャップ→530×3=1590
合わせて→2650g
比を使って、問題に答えさせることができた。
この問いを思いつけてラッキーだった。
かつ、5年のときとの、「もと」の違いから、割合の新しい表現である「比」に移っていく意見を聞けて、うまくつなげられてよかった。
子どもの発言と反応のおかげで、授業が潤った。
教師が教え込むというよりは、一緒に進んでいる気がした。嬉しかった。
やっぱり、子どもの言葉や子どもからの課題で授業を組んでみたいという願いをもって。
そういう考えで発問を考えたり、授業の流れを考えると、本当に少しずつ。1ミリずつだけれど、少しだけ脳がそう成長してくるのだと思う。
発問を作る脳がわけわからなくないというか、苦しすぎないというか、ちょっと楽しくなってきた。
より子どもを導けるように、よい資料と発問で、差分を生んで、理解につなげていきたい。