少しずつ「U理論」を分かろうと思って、kindleunlimitedにあった、U理論入門を読んでいる。
この中土井さんという人は、「U理論」の学び場を運営していて、頑張れば月1都内でU理論を学ぶことができます。
ここの「U理論セミナー」が、それに該当。
http://www.authentic-a.com/events/#sem03
他にもいろいろなサイトで分かりやすいまとめが一応ある。
上の会社のサイトの中にもありました。
http://www.authentic-a.com/solution/solution500/
以前に麹町で知り合った方もまとめてらっしゃる。
https://matsuura.hateblo.jp/entry/2015/11/02/211355
それでも、ハピペンなりに、今日読んで分かったことを書いておこーっと。
U理論
まずこれ
最も特徴的なのは、優れたリーダーの「やり方」に着目するのではなく、ブラックボックスになっている彼らの「内面のあり方」、すなわち高度なパフォーマンスや変革が起こる際の「意識の変容」に着目している点です。
だから、素晴らしいあの人のハウツーを追っていくとかってよりは、「自分が変わること」で、現状を打破できる可能性があるってところが面白いし、健全なように感じる。
この辺りは、「箱」にも通ずる話だ。
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 156人 クリック: 3,495回
- この商品を含むブログ (418件) を見る
自己正当化の箱から脱するということ。
「これまでとコミュニケーションを変えてみろ、できれば思いやりのある方へ」というようなメッセージが箱の言いたいことだったかと思う。
じゃあ、打破したい現状ってなんだよって話。
打破したい現状?
それは、あらゆる問題ってことなのだけれど、大きく二つに分けられている。
「煩雑な問題」と「複雑な問題」である。
「煩雑な問題」とは、ジグソーパズル型の問題と表現されており、一つひとつの問題に対して、トライ&エラーを繰り返せば、いずれ解決に辿りつける問題。たとえば、ロケットの月面着陸。
「複雑な問題」とは、ルービックキューブ型の問題と表現されており、解決策が解決策になっているかも分からない、自分のしていることが、問題をより問題にしてしまう可能性があるような問題。たとえば、子育て。「あっちを立てれば、こっちが立たず」のような、「相互依存関係」にあるような問題を言っている。
そして、さらに、「複雑な問題」の「複雑性」には「3種類」がある。
複雑な問題
- ダイナミックな複雑性
きわめて多様な要因が絡み合い、原因と結果が空間的、時間的に離れていることによって生じる複雑性 - 社会的な複雑性
関係者の間で価値観、信念、利害が相反していたり、経験の差に開きがあったりすることによって生じる複雑性 - 出現する複雑性
これまで遭遇したことがない予測不可能性が高い変化によって生じる複雑性
とのこと。
これらの複雑性にアプローチしているのが、ブリーフセラピーだと思う(というか、状況をシステム論的に見て、解決を創造するというところが似ている。そもそも、U理論の参考文献にベイトソンがあるので、多少、ブリーフと血のつながった理論ということだ)。子どもの権利条約を大切にするために「子どもに聴く」という姿勢も、こうした社会的複雑性に対するコミュニケーションへのアプローチなように思う。アドラーも、対話を重視する側面がある。
この時代の複雑性の中でも、アプローチしやすいのは、社会的複雑性なのかもしれない。
もう少し特徴を書きたい。
1.ダイナミックな複雑性「良かれと思ってやったことが自分の首を絞める」
経済がグローバル化し、世界中が結びついたことで利便性が高まる反面、遠く手の届かないところで生じたことが、私たちに多大なインパクトを与えるケースが増えている。
たとえば、リーマンショック。また、時間的に離れていることもダイナミックな複雑性につながる。20世紀の津波予測と、21世紀で起こった原発事故など。
「認識できる範囲や認識できない範囲でさまざまな動きが生じ、それらが、見えない形で、互いに影響を及ぼし合っているような複雑性」とある。
その渦中に身を置いているときには気づきにくく、根本的な変化を軽んじるか、変化そのものに気づきづらいという特徴がある。
ダイナミックな複雑性は、社会的な複雑性を誘発する要因の一つにもなる。
2.社会的な複雑性「自分が死んだ後のことなんて、どうでもいいよ」
これは、日常的にあるやつです。あいつがどーだの、こいつがどーだの。
この項で示されているアダム・カヘンさんの言葉が響きます。
この本の人です。
- 作者: アダム・カヘン,Adam Kahane,ヒューマンバリュー,高間邦男
- 出版社/メーカー: ヒューマンバリュー
- 発売日: 2008/10/03
- メディア: ハードカバー
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
「社会的な複雑性が高いとき、力によるねじ伏せによって解決が図られようとする」
うわー、あるわー。って感じ。学級経営でそういうことにならなくない人は少なくなくなくない気がします。
そして、「暴力的な解決でない場合は、ほとんどが妥協による問題の先送りが起こります」。うーん、そうだろう、そうだろう。
じゃあ、どないせいっちゅーねーん!!
アダム・カヘンさんは、U理論の実践者とのこと。
要は、U理論なら、切り口を生み出せるかもよってことでしょう。
たとえば、どんな状況かとイメージしてもらうと。
・その結論を受け入れてしまうと、自分や仲間が大きな損失を被ることがわかり切っている
・相手の結論は、自分の経験に照らすと明らかに間違っているとお互いが思い込んでおり、そんな結論を導き出している相手のことを、視野が狭いと見下しあっている
・今後起こりうることは仮説に過ぎず、本当に起こるかどうかもわからないのに、将来に備えて、直近で確実に損をする選択を強いられていると感じている
・ダイナミックな複雑性に対する認識がお互いにズレており、状況認識がまったくすり合わない
・宗教観や哲学観などアイデンティティに深く根ざした価値観の相克であり、お互いにこの点についての優先順位の引き下げは実質ありえない
ああ、きつい。
どれも、職員室のあちこちで勃発していることのような気がします。
3.出現する複雑性「いったいどうすりゃいいんだ?」
- 特徴1:問題の解決方法が未知である
- 特徴2:問題の全貌がまだ明らかになっていない
- 特徴3:誰が主要な利害関係(ステークスホルダー)なのかよくわからない
そして、「3つの複雑性」を超える鍵となるのが、「U理論」ということです。
アダム・カヘンさんが、複雑性に対するアプローチと効果について「3つの複雑性と処方箋」として表にしてくださっています(ありがたすぎるだろ!)。
今日はここまで。
他に読んだ本。
スッと読めます。間にあるコラムに学びが散りばめられている。絵がヒロアカに似ている。そのコラムからの言葉の抜粋も記録しておきたいなあ。そういうのは、今回のもだけれど、はてなブログ以外でやった方がいいだろうなあ。情報の動線が未だに不明確で泣ける。