かならず幸せになれるいきもの

おしゃべりによる出現する未来から学ぶ

【2学期が終わる】印象に残っていることは?

とりあえず、再び二日酔いだよ「ハピペン」です。懲りない。本当に懲りない。だから2次会に行きたくなかった。1次会ではしゃぎすぎて引きずられる。無念。

 

12/22(金)の風景(1)

金曜日は、2学期最終日でした。

 

1Hは、終業式。

2Hに朝の会をする。朝の会には「みんなからの連絡」というのを設けていて、好きなことをしゃべっていい時間がある。

みんな喋りたがりなため、不規則発言が合間に入りがちで、何なら、ちゃんと機会を設けて黙らせよう……もとい、口を閉じて静かにする力、待つ力、我慢する力、聞く力も身につけていただこうと考えた。

 

そこでの一人の発言が面白かった。

「校長先生の話であったように、いい言葉や応援する言葉を今みんなで言い合いましょう。それでは、よーい、スタート!」

こういう「自分の意見や考え」を言えることはこの子のねらいでもあるので嬉しい。しかし、ちょっと偏った感覚を育んでしまっているかもしれない。露骨に「いい言葉を言い合おう」とか「よーい、スタート!」の辺りが、「ハピペンイズム」だ。

 

一応好き勝手なつながりではなくて「いい言葉の大切さ」は、以前に保険だよりのスクールカウンセラーよりにあった「天使のささやき」ということを話題にしたときに伝えた。

 

「天使のささやき」

そのスクールカウンセラーだよりには

自分自身に対して、自分で声にださずに語りかけることや口癖のことを『セルフ・トーク』と言います。『セルフトーク』には、プラスのはたらきをする「天使のささやき」と、マイナスのはたらきをする「悪魔のささやき」の2種類があります。

心の中に、「できない」「失敗する」「へたくそ」という悪魔のささやきが聞こえてきたら、「できる」「うまくいく」「だいじょうぶ」という天使のささやきで追いはらい、前向きな言葉で自分を元気づけてみてください。

と書かれていました。

 

これにちなんで、どんな言葉が嬉しいかを出していました。

それを1分ほど伝えあった。

 

12/22(金)の風景(2)

3Hにあゆみを渡した。

渡すときに、みんなから言葉をもらうようにした。

みんなが知っている〇〇さんの良いところ、頑張っていたところなど。

すると出てくる意見すべてが貴重で、教師が見て感じていたときもあったけれど、過ぎ去ってしまっていたことなど、やっぱり目の数だけ見えるものがあるし、見ているところも違うと感じた。

おすすめです。

特に高学年から、

「もうほとんどリーダーだと思う。何も心配ない。」や

「いつも授業を真面目にやっていると思いました。」などが出た。

我々が言うよりも、どうしてもこっちの方が本当っぽさが出る。

そして、そうやって他者を認められる君こそ、リーダーの本質を背中で示している。

この子は、今学期、友だちへの関わり方が180度まではいかないけど、120度くらい変わったと思える子。

きつい、やつ当たり、違いを認められない、利己的、身勝手が目立つ子だったけど「優しさ」で勝てることを知って、促すのが上手になった。

そして、実際そうした方が気持ちいいかを問い続けたので、みんながよくなるにはどうしたらいいのかを感じてくれたと思っている。

 

一人の子は

あゆみを渡して、良かったことも言い終わったときに「2学期先生のおかげで本当に楽しかったです!ありがとうございました!」と言ってくれた。

本当にそういうつもりはないっていうか、リップサービスだと思うのだけど、ちょっと嬉しい。

そりゃそう。練って仕掛けている。休み時間にお店屋さんを3回開いて毎回30人くらいの人を楽しませている。3回目は、私はすっかり忘れて外に行ってしまったのだけれど、バイトと一緒に見事に営業できたそう。「バイトの子も頑張ってくれたので大丈夫でした!」このセリフを休み時間に聞ける楽しさ。こちらまでわくわくする。店長として立派にやってくれている。低学年の子たちも「店長!」って呼んでいるのを見た。これは楽しいはず。

 

2学期したこと

とにかく行事が多かった。

運動会

いろいろねらいはあるだろうけど、
低に特に「最後まで」「合わせる」を意識させた。

音楽発表

高が休み明けで楽器が上手くできなくて授業中に泣いた。
そこから、個別に練習し、自分でも納得できる演奏ができるようになった。

当日無事に発表が終わり、感想を聞くと「寒かったけど演奏できて聞いてた子たちも唄ってくれて演奏が伝わったんだなあと感じて良かった」と言っていた。

しかし、本筋はそこではないと思った。今回のその子の学びは「自分はダメだと泣くほど辛くても、自分の力で納得するできるほどにまで立ち直れるってことだ」それを忘れないで来年も頑張ってほしいと伝えた。

音読発表

例にもれず「お手紙」の音読発表で、交流級に送り込むことができた。

基本的に支援の子の国・算は、支援の教室でやることが多いと思うけれど、「お手紙」の音読発表だけは、参加できる可能性が高い。

また、今見ている子のリソースが「声」なので、練習すれば全然いけると思っていた。

練習に定期的に参加するには至らなかったので、ドタ参みたいになってしまってセリフが一枠しかもらえなかったが、そのかえるくんの一言で「Aくん、うまい!」「すご!」って言葉が子どもたちから漏れる。この「Aくんもできることがある」「ちゃんとやってる」という印象が、6年まで続くと思っている。

要所で出番を演出することは、大人の役割だろうと思う。

支援級理解の授業

 全クラスにできた。

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 実施するまでの苦しみが多少あったが、やってみてよくパッケージングされたものなのだと改めて実感。 

この先生から引き継いだものなので当たり前かもしれないが。

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基本的な流れは

  1.  〇〇級の紹介
  2. なぜ〇〇級があるの?
  3. 仲良くなれる関わり方
  4. 質問コーナー

である。

 

高学年に対しては「その子に合った学び方を用意するところ」と定義して説明した。

最初にやったクラスの子が面白くて「〇〇級ってどんなところだと思う?」と聞くと、「言うことを聞かない悪い子がいくところ!」と答えた。

何も知らされず、かかわりがなければ、下手をすれば、そういう認識で卒業していく可能性だってあるってことだ。この話の重要性を感じた。

文脈の中で「同じと違い」から「人それぞれ得意もあれば苦手もある」という話に流れていく。いろいろな絵を示して苦手をイメージしてもらう。

みんな想像力が豊かで自由に発言してくれる。

「リコーダーと耳を塞いでいる子」の絵では、

  • リコーダーの音が苦手
  • リコーダーの高い音が苦手
  • リコーダーの失敗したときのキーって音が苦手
  • 練習のときにたくさん聞こえてうるさいのが苦手
  • 穴を押さえるのが苦手
  • 形そのものが苦手

などいろいろ出た。正解はないし、正解は先生たちにも分からなくて、それは様子を見て勘でしかない。そんな風に、それでも想像して「まず気づく」のが大事で、その次に「じゃあどうしよう?」って考えたらいい。そして、それは、一人で考える必要はなくて、みんなでどうしたらその子も気持ちよくできるかを考えて編み出すしかない。

気付けるってことは、苦手で困っている人を助けられるかもしれないってことだから、それは覚えておいてね、と言った。

そして「じゃあさ、そういう苦手がある子ね。あなた勉強苦手ですね。だから、明日から学校来ないでください!って言われたらどう?」と聞いた。

子どもたちは「えーやだー」「最低」「ひどい」「むりー!」とか言う。「だよね。どんな子も安心して学べる学校の方がいいよね。」子どもたちはめちゃうなずいてくれる。「でもどうしてもみんなと同じ学び方では安心できない子もいるってわけだ。だから、そしたらどうするか。じゃあ、安心して学べる場所を用意しましょうっていうことで、〇〇級があるんです」という話をした。もちろん、安心さえできれば、同じ教室で学びたいし、同じ教室だから学べることもあるから、相談してみんなと同じ場所で学習するときもありますと付け加える。

 

国語

・高学年には、読み聞かせをやってもらうコーナーを設けた。家での音読の目的ができるため、真剣にやってくることが増えた。

・カタルタによって、文字を書くのが流行った。春の私たちなどの季節の作文、創作の作文、お店屋さんをやった感想などいろいろ書いていた。つまったら、カタルタを引く。そうすると、自然と文が浮かぶ様子だった。

・大造じいさんとガンは、劇遊びをしながらストーリを読み取った。

・ローマ字の練習。意見を言えるというリソースがあったが、書くが苦手だったためタイピングできるようになれば……と考えた。漢字も苦手だったため、タイピングして変換して正解できたら自信につながるかなと。

・早口言葉を画用紙に書いて読ませる。文字を読むことが苦手なため、いろいろな言葉を楽しく読ませたかった。脳を国語にスイッチするための導入のイメージ。

算数

・かけ算九九の練習を高・低のペアでやらせた

・お店の広告を使って、子どもの数を設定して、一日分のおやつ4種類を選ばせて電卓を使って計算させ、合計金額と一人当たりの金額を出させた。ポテチなどは、一袋を何人で分けるなどのイメージも必要で数の概念を育むのに効果があるだろうと考えている。かけ算やわり算を使いながら「あ!かけ算ってそういうことだったんですね!」といった声も聞けるためそう思う。(この作業は、以前働いていた私が学童で毎週やっていたこと。)

 

その他

・仕事と仕事の結びつきをウェビングでつないでいくということもした。いろいろな仕事と仕事がつながっていることに気付いていた。

生活の中で

・学期の頭にキーワードで示して、ブレないことって重要だと思った。ポジティブかつ出来得るキーワードがいい。「もちば、ていねい、自分で」などをキーワードにして言葉かけなどをし続けた。

・感情表現マップを作った。ストレスが身体症状として出やすい子だと見立てた。言語化できれば、やわらぐと考えて作ってみた。縦軸「ポジ・ネガ」と横軸「よくある・あまりない」で作ってみた。効果はあったと思う。お腹が痛いとき、頭が痛いときなどの感情を指さしさせ、どうしたら、それがポジの方へ行くかなどを一緒に考えた。

・読み聞かせで「100万回生きたねこ」を読んだ。読んだあと何気なくなんとなく「なぜ生き返らなくなったのだろう」と聞いた。

すると端的でシンプルな答えが返ってきた。「白いネコに会って満足したからじゃないですか」だって。「ああーそうかもねー」と受け取るも興奮した。

(そうかもしれない!満足できなかったから、生き返っていたんだ。愛されることでは、また、自分を愛するだけでは満足できない!つまり!「愛されるよりも愛したいマジで」、すなわち、kinki kidsだ!!そうか、私たちは愛せると満足できるのか。あなたを、あなたに出会えたこの生を、この星を!!と一人、心の中で盛り上がる。いい子が育っていますでしょう?)

 

なんでもない感想

2学期最終日に「いつもやっている良いことは続けて、良くないことは無くす。気づいて考えて選ぼうね。3学期にこれやってね。」と伝えてある。残すための最終点検。

もう引き継ぎは始まっているのだ。引き継ぎと言えば、結局、この子たちのことで引き継げるデータって限度があって、今回はA4一枚に「得意・苦手」「好きなこと・嫌いなこと」を3つずつ書いたものをつくった。お家の方にも見てもらってブラッシュアップしてもらい用意した。得意や好きなことを見つける方が時間がかかると言われているので、そこの時短なるといい。今年度のスタートは見立てに時間がかかって損をしたと感じた。できないこと、よくないところしか伝わってこなくて、じゃあそれをどの角度から攻めるの?っていうリソースが伝わってこなかったためと思っている。

 

というわけで概ね「やりたいこと、やらせたいこと」はできた2学期だった。だからって安堵しているわけではなく、全くこちらとしては安心感はなくて、全部ギリギリなのだけれど、いろいろな機転が利いて、運よく実現できている。

 

3学期の大団円へ向けて、また加速していきたい。

個人的なハイライトはこれかな

・支援級理解を通じていろいろな学年の子と知り合えた。そこから、なわとびを教える、鉄棒を教える、キャッチボールをするなどの広がりを見せて、学校生活が少し楽しくなった(私の……笑)。

 

そして、ネガティブなハイライトはこれ

・いくら支援級理解をしても、大人のマインドが変わらないとなあ……そこは、大きな課題だけれども、そう簡単ではないと思う。「子どもの名誉は毀損されまくっている」っていう感じをなんとかできないものだろうか。

ある子が教室にいると、集中できないから、その子はそこにいることが相応しくないという考え。その徹底による教育的価値と、価値を実現するためにある程度の排除は仕方ないという価値。 優先すべきは?

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・身内にも課題はある。特に身体接触。いらん身体接触を抹消したい。求められるから応じるとかないから。

 

ラストスパート。

 

【課題】

  • 「~が~に~を」の文が書けない。
  • 100までの数唱でつまずくことがある。
  • 何回も同じことを言ってしまうことを意識させてみる
  • 自己紹介が上手にできるようにする
  • 自分たちで自分たちの時間を運営させてみる
  • 人のものと自分のものの区別
  • 身体接触の根絶
  • 丁寧な言葉遣い

 

そんなところで、続く。

(全然ひと月ごとに振り返ってねーじゃねーか!今度こそ!)