かならず幸せになれるいきもの

おしゃべりによる出現する未来から学ぶ

私の原点としての「太田光」

ここ数日、太田光の名をYahoo!ニュースでも見かける。私が見るから出てくるだけかもしれないが。前だったら大体悪いことばかりだった。ここ数日は、プラスのことで注目されていて、なんか嬉しい。私が好きな太田光は、そういう繊細で、幼稚で、焦っている風な太田光だ。

 

太田光が好きだった。20歳の時にはもう好きだった記憶がある。一度太田光の髪型にした時もあった。たぶん、漫才が面白くて、好きになったと思う。あとあれだ「バク天」だったかな。そいうのをやっている頃だったと思う。それ以外でテレビに出て「わーっ!」とやって、みんなに嫌がられている姿も好きだった。なんとなく憧れるというか、シンパシーだ。

 

そんで、本を見つけて、太田光の書く世界に興味をもった。なんでもないことを書いてもこんなに面白いってことがあるのか。と思った。言葉を紡ぐのは面白いと生まれて初めて思ったと思う。

ヒレハレ草 (幻冬舎文庫)

ヒレハレ草 (幻冬舎文庫)

 

 

実は、この本を読んで、自分も何か書きたいということを思った。日常を残しておきたいと思った。それで、ブログを始めたのだった。もう12年以上前のことだ。

 

そして、自分は自分の書く文章が一番面白かった。自分の理解者は、いつも過去の自分か未来の自分だった。過去の自分は未来の自分に語りかける。未来の自分は過去の自分に共感する。その繰り返し。

 

いくつも太田光を読んだ。

 

三三七拍子 (幻冬舎文庫)

三三七拍子 (幻冬舎文庫)

 
天下御免の向こう見ず (幻冬舎文庫)

天下御免の向こう見ず (幻冬舎文庫)

 

 

上に紹介した3冊はどれも面白い。バスで読むと、降りるべきバス停を通り越すと思う。

 

自伝にも手を出した。

爆笑問題 太田光自伝 (小学館文庫)

爆笑問題 太田光自伝 (小学館文庫)

 

ページをめくると自伝だかふざけてんだか分からない本だと思った。そういう印象があったのを覚えている。でも読んでいくと、事実が紛れているように感じた。この人の書きたいことはこれなんだろうと思った。どこか滲むカラス感。私に沸いてくる彼の理解者でいたさ、みたいなものは、痛いのだけれど、そういう危うさが太田光の魅力かもしれない。私自身が依存体質なので(昨年やっと理解したこと)、依存体質な太田光に(断定)引き寄せられるのだと思う。

 

トリックスターから、空へ

トリックスターから、空へ

 
パラレルな世紀への跳躍 (集英社文庫)

パラレルな世紀への跳躍 (集英社文庫)

 

このころ、テレビの方では少し露出が減ったような気がした。しかし、この二つのタイトルは、胸に響く。どちらも、「今、ここ」出ない感じを想起させる。

 

なんだか、ふと、遠くへ行けるような「本当はこっちよ」というような、自分はまだいけるのではないかというような、自分は誰かに連れ去られてしまって全然違う世界を生きられるのよ、というような感じを受ける。

 

「トリックスターから、空へ」

「パラレルな世紀への跳躍」

まあ、ただなんとなくかっこよさそうな言葉を羅列しただけ、かもしれない。

 

ただ、確か太田光は、トリックスターが好きだし、それになりたかったのだったと思う。

 

実際、トリックスター的であるとも思う。

主役でドーン!が好きなのに、そうならない自分を美化した形がおそらくトリックスターだ。私はその感覚にもシンパシーを感じる。

 

ある日気づくわけだ。

「自分は、仮面ライダーにはなれない」って。

 

ただし、自分の適するところを生きていった方が生きやすい。ただし、太田光は芸人なので、「もっと!、もっと!」というのがあった。今はあるかしらないけれど、爆問学問をやっているころには、それを感じた。

 

けれど、今は、「オレは、オレでいい」なんて思っているような気がする。もしくは、「みんながほしがるオレでいたい」というようなことを前よりは少し思っているような気がする。

 

今回のサンジャポでの語りも、たぶん、あの事件が純粋に怖かったのだと思う。怒りとかの前に怖かった。私はその純粋さが愛おしいと思うのだけれど。私もそう思った。怒りの前に怖かった。怖くてたまらなかった。そして、それは、いつ誰に起こってもおかしくないことだとも思えた。偶然、周りにいる人たちが優しいから、自分は加害者になっていないし、被害者にもなっていない。それだけのことなのだ。

 

これから、そういうことは一切ないと断言できるのだけれど、あの頃、そうなっていてもおかしくなかった。

 

と思う。

 

なんとも気持ちが悪いエントリーだが、結局太田光の内実を勝手に自分に重ね合わせて、自分を美化しようとしているような雰囲気を醸し出しているだけの話だ。

 

しかし、爆笑問題は、憧れる後輩がいないのだと言っていた。それに憧れてしまっているのだから、やはり、どこか苦しい。私は、そういう微妙な人間なのだと思う。

今日は、ある日、憧れて「笑年市場」というコンビを作ろうとしたぐらい好きだった太田光の話。彼は、主役でも、トリックスターでもなく、自分であったときほど光を発する。

 

https://www.happypenguin.net/entry/2016/12/30/%25E7%25A7%2581%25E3%2581%25AE%25E5%258E%259F%25E7%2582%25B9%25E3%2581%25A8%25E3%2581%2597%25E3%2581%25A6%25E3%2581%25AE%25E3%2580%258C%25E7%2581%25B0%25E8%25B0%25B7%25E5%2581%25A5%25E6%25AC%25A1%25E9%2583%258E%25E3%2580%258D