ポッと事務仕事が入ってくると、平気で1時間延びてしまう(やっていない自分が悪い)。自転車なのだから仕方がない。ギリギリ、マイナスではないと言えるような状況に安堵するくらいしかできない。
そうして、今週のあと3日を頑張れるだろうか。年度はじめのあれこれをもう定番として決めて、記録もとって。それで、その分で新しい学年の授業準備をするとか、新しい分掌の仕事をするとか。そうしないと、17:00には帰れないなあ。結局、土日かけるしかないんだろうか。そうしないと、クラスが荒れる?本当に?
ただ、そういう準備の他に、「題材名」や「ねらい」「問い」の方が大事なようにも思う。
たとえば。図工で「ひかりのくにのなかまたち」という題材がある。おそらく不朽の名作なのだと思う。
そして、不朽の名作だからと言って、「ただ材料」「ただめあて」では、子どもが想像力を働かせて、やりたくなって、楽しんで取り組めるかは分からない。だから、楽しめるようにそのための、「言葉」による刺激がいる。
https://www.nichibun-g.co.jp/library/e-other/e-other16_abc-z.pdf
こういうのを見て、そう思った。
「ABCシリーズ」は、おすすめです。
なので、今日は。
「『ひかりのくにのなかまたち』っていうのをやります」と言って。
「『ひかりのくに』ってどんなだと思う?」と言うと、意見が炸裂した。大変な量の意見だった。30個ほど出た。「たいよう、おかね、オーロラ、たからばこ、ラメ、にじ、おうさま、ひかっている、きらきら、まぶしい、きん」など。
誰かが「もう全部きらきら」と言った。子どもたちは、子どもたちそれぞれの「ひかりのくに」を頭の中でイメージし始めていた。これが良かった。M78星雲ではなく。
そして、今日の材料はね、と「セロハン」や「袋」を見せた。
「今日は、こういうの使うんだけど、ひかりが透けます。この材料たちは『ひかりのくに』に行きたいんだって。でも、このまんまじゃ行けなくてね、生き物とか人の形でないと『ひかりのくに』には行けないのよ」と言った。
そうしないと、それで造形する意味をもたせられないと思った。なので、みんな材料たちを『ひかりのくに』に連れていくために頑張ったと思う(思うである)。
そして、材料にも意味をもたせた。
- ふくろ→体
- セロハン→エネルギー(袋の中に入れていく)
- モール→形をつくるのに使う
- 色紙→かざり
- シール→最後に目
という風に伝えてみた。
少し想像を阻んでしまうかもしれないとも思ったけれど、0から考えるよりは、いい加減だったと思う。全員作りたいという気持ちで作れていたので。
30分ほど経つと、モールで手足を作ったり、セロハンを貼ったり、折り紙も使っていいか聞いてきたり、想像が広がって、願いをもって、やりたいことが生まれた子は動き出す。
多少「くに」というワードが引っ張って、ドレスやナイトを作った子も多かった。
それでも、「ああしたい」「こうしたい」をもって活動できたのはよかった。
「ABCシリーズ」を見て、声の掛け方も変わった。色紙を細かく切っている子がいれば、「どうして切っているの?」と聞いてみる。「これベルトー」と言う子には、「どうしてベルトをつけたの?」と聞いてみる。
そうすると、それぞれ返事が返ってくる。その子なりの頭の中、ストーリーがあることがよく分かった。
本当は「その『ひかりのくに』には何があるの?」と聞いてさらにイメージを広げさせたかったが、材料を紹介しているうちに、「もう!はやくやりたい!」の声があったのでやめた。
男の子3人が、休み時間やちょっとした時に私に「図工」について話しかけてきた。
「図工って遊びみたいで楽しい。今日、学校に来て図工やれて良かった。」
「図工ってやっぱりわくわくするから大好き!」
「(給食のときに、つくったものを)今、見てて、今日の図工楽しかったなあって思ったよ。」など。
やさっ!って思う。優しい言葉たち。
「2年生になっても田村先生のクラスがいい。田村先生の親友になりたい。」とか。
おいおい。リップサービスがすぎるぜ。
いい日だよなあ。
というわけで、やはり、なんと言っても不朽の名作というわけです。